Chilli Beans. 日本武道館以降に湧き上がってきたパーソナルな音楽 『blue night』に込めた素直な心情

Chilli Beans.が今鳴らしたい音楽

 昨年12月に2ndアルバム『Welcome to My Castle』をリリースし、今年2月にはそのアルバムの世界観を表現しきる初の日本武道館ワンマンを成功させたChilli Beans.(略称:チリビ)が、およそ1年ぶりにパッケージリリースするのが、ミニアルバム『blue night』だ。インタールード含め全9曲、さまざまなスタイルの中に、これまでのチリビとは少し異なる、パーソナルで素朴で素直な心情が詰め込まれている。

Chilli Beans. - Mini Album「blue night」Trailer

 『Welcome to My Castle』は、そのタイトルのとおりチリビという「城」を作り上げるようなアルバムだった。それをやり切った先で、彼女たちはより自由に、そしてより自然体で、それぞれの中にある気持ちを大事にして音楽と向き合った。そんな2024年の集大成である今作を聴いていると、素顔で生身のチリビに出会える気がする。(小川智宏)

武道館も今年じゃないみたいに感じ(Maika)

Chilli Beans.
Chilli Beans.

ーー武道館でのワンマンから始まったチリビの2024年ですが、あれだけ作り込んだライブを行った達成感とか、やりきった感はあったんですか?

Lily:お客さんもいっぱい来てくれて。それが現実だったということが、終わって冷静になってから押し寄せてきました。達成感はめちゃくちゃありましたね。今までやってきたことを、気張らずにステージでみんなと一緒に楽しめた自分がいたから。今までやってきたことが全部つながっているなと、すごく思いました。

ーー武道館の先で何をしていこうかみたいなことは考えていた?

Lily:2ndアルバムはコンセプトをがっつり決めて作ったし、武道館もそのコンセプトでやりきった感覚があったから、次も同じことをやる意識はみんなの中にたぶんなかったと思います。もっと自然な感じというか、今の私たちだからこそできる曲を作ろうって。イメージはいっぱいあったじゃない? こういう曲が好きだなとか。

Maika:うん。

Lily:そういうものを形にしていったよね。日常の中でそれぞれ自然に作ってたものがあったから、それを持ち寄って。だからよりナチュラルな雰囲気で、ゆったりしたような感覚というか。今回の曲たちはその落ち着いたタイミングでできてきた曲です。それぞれがエネルギーを持てる場所で、ちょっと自分に帰るみたいな感覚でした。空気の入れ替えをした、みたいな。

ーー確かに今作は曲ごとの印象も結構バラバラですし、自由ですよね。最終的に『blue night』っていう傘で包んだ感じはありますけど。あとMotoさんは、今年いろいろな作品にボーカリストとして参加していましたが、その経験はどうでした?

Moto:自分からは出てこないものを表現できたのが楽しかったです。別の自分とその曲の表現をしたような感覚でした。すごく貴重な経験でした。

ーーKlang Rulerと一緒にセッションしたTRF「BOY MEETS GIRL」のカバーをはじめ、WurtSやKERENMIの楽曲への参加など、いろいろやりましたね。

Moto:いろいろな人とコラボしました。そうか、全部今年なんだ。

Maika:武道館とかも今年じゃないみたいに感じる。2、3年前みたいな感覚だよね。

Lily:武道館で初披露する曲もあったし、そこにみんな集中してたから。

Moto
Moto

ーー(笑)。2人はそうやってMotoさんが外で活躍するのはどうでした?

Lily:WurtSさんのライブにモニ(Moto)が出たときは客席の前の方で観ました。楽しすぎた。普段は一緒にやっているけど、モニが歌ってる姿を初めてお客さん目線で観て、「あ、いる!」「こっち見てー!」ってなりました(笑)。めっちゃ手を振ってた。

Maika:私もLilyの隣で「こっちー!」ってやってました。めっちゃ楽しかったし、新鮮だった。

ーーうん、新鮮ですよね。

Moto:コラボさせていただいた方がみんなとにかく本当に音楽が好きでそのことをすごく大切にしているのだなと思って。すごく楽しかったです。かっこいいなと思いました。

ーーそうやって他のミュージシャンとコラボするのは、揉まれるというか、チリビとは違う感覚もあった?

Moto:KERENMI「世界 feat. Moto from Chilli Beans. & Who-ya Extended」をやらせていただいたときは「どんな感じにしよう?」とメンバーに聞いてみたりしました。すごく前向きで背中を押してもらえるような曲だったので、自分なりに少しそれを儚く表現してみたりしました。

ーーあと、THE ALFEEのトリビュートアルバムにも参加して「シンデレラは眠れない」をカバーしていたじゃないですか。あれにはびっくりしました。意外すぎると思って。

Maika:私たちもお声掛けいただいたのにびっくりして。「え、知ってくださってるんだ」って思いました。

Lily:すごく楽しかったです。楽曲の作り方とか私たちと絶対に違うと思うんですけど、実際に演奏したり、アレンジしたりするとその違いをさらに感じるんです。ギターソロもカバーしたんですけど、冒険してる感覚があって楽しかった。時代が違ってもかっこいいものはやっぱりかっこいいなあ、すごいなあって。

ーーずっと3人で活動してきましたが、そこに違うセンスを取り込んでいけるようになったのが今年のチリビだと思うんですよね。Maikaさんがバイクを買ったのもそうだし(笑)。

Maika:全然違う(笑)、なんで知ってるんですか?

ーーインスタで見ました。

Maika:恥ずかしいです(笑)。

ーーいいじゃん。めちゃくちゃ渋いバイクを買ってましたけど、どこか行きました?

Maika:全然行けてなくて。でもこの前、いとこと競艇に初めて行きました。いとこもバイクに乗るんですけど、2人で近くの競艇場に行って、2000円買って負けました。今のところはそれだけです、私のバイクエピソード。

ーーバイクで競艇は、結構パンチありますよ。

Maika:好奇心がありまして。

ーーそう、好奇心。チャレンジですよね。Lilyさんも何かチャレンジしたことあります?

Lily:占いで来年からはどんどん新しいことや新商品に挑戦したほうがいいと言われたことがすごく印象に残っていて、徐々に始めています。例えば、お気に入りのお店に行ったとき、いつもはほうじ茶のケーキを食べるんですけど、なかったから抹茶のロールケーキにしたりとか。

Maika:新たな挑戦!

Lily:あとはヨガをやってみました。朝がつらすぎて、生活習慣を変えないといけないと思って、ちょっと早めに寝てみたり、朝ヨガをしてみたりしてるんです。手と足をグー、パーって10回繰り返すとすっごい目覚めるんです。頭が動いているのを感じるっていうか。めっちゃいいですよ。

ーーへえ。

Lily:今日で4日ぐらい続いてます。

Moto:4日……。

Maika:いや、3日で終わらないってことは絶対続く。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる