Vaundy、藤井 風、YOASOBI、優里……“特殊なシチュエーション”でのパフォーマンスが引き出す新たな魅力
同じくNHKが手掛け、普段とは異なるシチュエーションのライブといえば、1組のアーティストと1,000人の18歳世代が共演して1回限りのステージを創り上げる『18祭』も挙げられるだろう。2023年はYOASOBIが楽曲「HEART BEAT」を制作し、18歳世代とのパフォーマンスを行った。
これまでにも、『18祭』では名パフォーマンスが生まれてきた。YOASOBIも例外ではなく、等身大の感情を歌にぶつける18歳世代と、優しく寄り添うYOASOBIによる熱量高いステージが見られた。当時の18歳世代といえば、ちょうど新型コロナウイルスの流行下で中高生時代を過ごしてきた人たちであり、そんな彼らが何の縛りもなく大勢で歌声を届けている光景も、より感慨深いものがある。18歳世代の合唱が加わって楽曲が完成した瞬間を見届けられる、胸を打たれるパフォーマンスだ。
少しユニークな例では、優里がたびたびYouTubeチャンネルで行っているゲリラライブ企画がある。過去にもターミナル駅の路上やテーマパークなどで行われてきたが、今年6月に公開されたのが、「公園の木の下で歌ったらどれだけ人を集められるか」といったものだった。
周囲に誰もいない木の下に座り込んでギターを抱えた優里は、まずback numberの「花束」をカバー。すると、マイクを通していないにもかかわらず、遠くから圧巻の歌声を聴きつけた人が次々と歩み寄ってくる事態に。最後に自身の「ベテルギウス」を歌い上げた頃には40人ほどが集まり、何でもない公園の木の下がミニライブ会場と化したのだ。予定されていないものだからこそ特別感がより強く、偶然居合わせた人にとっては嬉しい体験となったことだろう。
ライブ会場で行われるものではない、レアなシチュエーションでのパフォーマンス。いつもとは違うからこそ、観ている側はより心が沸き立つし、シチュエーションによっては楽曲やアーティストの新たな魅力を引き出す効果もあるように思う。今後もどんな特別なパフォーマンスが生まれるのか、注目したい。
※1:https://realsound.jp/2023/12/post-1509911.html

























