RHYMESTERがジャズの殿堂で魅せた“キング・オブ・ステージ” 8人編成による圧巻のエンターテインメント

RHYMESTER、BLUE NOTE TOKYOレポ

 「ステージの上と下の垣根がないのがHIP HOPのいいところ」と言って、コール&レスポンスの練習でスタートしたライブ終盤戦は、2017年のファンクチューン「Future Is Born」でスタート。軽快なビートに合わせて、手を左右に揺らしながら一緒に声を出して歌った観客。高速ラップの口上に続けて繰り出されたのは、1998年の代表曲「B-BOYイズム」。アシッドジャズ調にアレンジされたバンドサウンドに乗せて、淀みなくスキルフルにラップを繰り出す2人に、観客が歓声でそれに応え、サビでは〈B-BOY NO.1〉と声を合わせる。DJ JINもスクラッチなどターンテーブル技を惜しみなく披露し、最後は宇多丸とMummy-Dが腕組みをして背中合わせで立つポーズでキメる。そして本編の最後は「BLUE NOTEでこの季節にやるならこの曲」と紹介し「サイレント・ナイト」を披露して、会場は一足早くクリスマスムードに浸った。

 アンコールでは、「今日何曜日? 土曜日でしょ!」と声をかけ、「We Love Hip Hop」で締め括る。曲に合わせて〈ヘイ!〉〈イェイ!〉と声をかける観客。DJ JINのスクラッチに「これを聴けばDe La Soulのアノ曲でしょ」と言って、間奏でDe La Soulの楽曲「Saturdays」を挿入する心憎い展開に、観客も歓喜し一緒に〈Saturday〉と歌って盛り上がった。

 「来年で結成35年、生き残ってるヤツはみんな努力と経験を積んでいてカッコいい。我々は日本最古のランナーとして走り続ける義務が生じている。HIP HOPを仕事として成立させて、子どもを大学に行かせなければいけないし。それを実現するためには、アーティストとしての努力はもちろん、健康が大事。そして我々を応援してくれる皆さんも、健康でいてくれないと困る。最終目標は老衰。老衰こそ勝者!」と宇多丸が言うと「アンコールで話すMCにしては、面白すぎるよ」とMummy-D。

 「もっとBLUE NOTEでやりたい曲がある」と話した3人。最初から最後まで、古典に対するリスペクトと日本のHIP HOPのプライドを胸に、百戦錬磨のエンターテインメントにあふれたステージで観客を魅了した“8人”。バンド編成のRHYMESTERは、BLUE NOTEで観てこそ価値がある。来年もぜひ!

■『RHYMESTER "King of Stage at Blue Note Tokyo 2024"』
2024年11月9日@BLUE NOTE TOKYO

<2nd セットリスト>
01.After The Last
02.そしてまた歌い出す
03.Just Do It
04.梯子酒
05.ガラパゴス
06.ちょうどいい
07.POPLIFE
08.Future Is Born
09.UA→B-BOYイズム
10.サイレント・ナイト
EN. We Love Hip Hop

■関連リンク
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RHYMESTER オフィシャルサイト:https://www.rhymester.jp/

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