家入レオ、30歳を目前に届けた“人生の大切なテーマ” 熱狂と温もりのホールツアー『My name』開幕
10月2日に通算8枚目のフルアルバム『My name』をリリースした家入レオが、同作を携えてのワンマンツアー『家入レオ TOUR 2024 〜My name〜』の初日公演を、10月12日に埼玉・三郷市文化会館にて開催した。
【以下、ツアーセットリストのネタバレあり】
この日の公演は、ツアーの幕開けを一目見ようと全国各地から大勢のファンが集まりチケットはソールドアウト。小さな子どもたちやその親世代、そして家入の同世代まで実に幅広い年齢層のオーディエンスが見守る中、まずは家入本人による「開演前のアナウンス」がリアルタイムで流れ、場を和ませる。そしてステージ後方には、アルバムタイトル『My name』のロゴが大きく掲げられている。
定刻となり、暗転するステージにサポートメンバーの西村奈央(Key)、山本真綺(Dr)、イガラシ(Ba)、仲道良(Gt)、おかのやともか(Cho)が登場。最後に家入が姿を現すと会場からは大きな拍手と歓声が鳴り響く。まずはアルバム『My name』収録曲で、Galileo Galileiの尾崎雄貴が作詞作曲した「girl」からライブはスタート。まるで高原にそよぐ風のように爽やかかつ雄大な楽曲を、客席の一人ひとりに語りかけるように笑顔で歌う家入の姿に、自然とこちらの頬も緩む。
今ツアーのバンマスであり、全曲のライブアレンジを手がけた西村のしっとりとしたピアノに導かれ、続いて披露されたのは2022年のシングル曲「空と青」。弾むようなリズムとともに、バンドの演奏がじわじわと熱を帯び、間奏のギターソロでは家入がクルクルと回りながら軽やかにステップを踏む。「みんな、楽しむ準備はできてますかー?」と、2階席にも大きく手を振ったあとは「Shine」へ。2012年にリリースされた彼女の2枚目のシングル曲だが、〈変わらないものは いつもここにあって/もう 失くさないで 感じる力 君は持ってるから〉とファンに対して今なお変わらぬ思いを力強く歌い上げた。
「やっほー! みなさん元気ですか? 始まったね、始まりましたよ。『My name』ツアー、本日スタートです!」
そう叫ぶ家入に、オーディエンスも大きな拍手と歓声で応える。「去年は『Naked』というアルバムを出して、ライブハウスを1年かけて回っていたのでホールに戻ってくるのは結構久しぶり。ステージに上がって1曲目でみんながワーッて手を振ってくださる姿を見てたら、胸がいっぱいになってさ。今回は、初めて来た方も、何度も来ている方も楽しめるセットリストを作ってきましたし、ニューアルバムからもたくさんお届けします」と話してメンバー紹介をしたあと、披露したのは「あなた」。記憶の片隅にある大切な人との思い出を、ふとしたきっかけで思い出した時の心情を切々と歌う雄大なバラードだ。
バウンスするリズムに思わず体が揺れる「TICK TICK」は、ハモリやオクターブユニゾンなどをセクションごとに使い分けた、おかのやによる細やかなコーラスワークが印象的。西村の弾くジャジーなピアノ、仲道の情熱的なギターソロも、起伏のあるドラマティックなこの曲のアンサンブルに彩りを加えていく。そして家入のアカペラで始まった「未完成」では、ファルセットを交えながら抒情的なメロディを歌う家入にひときわ大きな拍手が巻き起こった。