THE ALFEEの“青春”はまだまだ続く デビュー50周年の喜びを分かち合った熱いステージを観て
そこでしばしのインターバルを置いて、流れてきたのが「LONG WAY TO FREEDOM」。高見沢が真っ白な羽根をあしらった衣装で空高く舞い上がり、フライングしながら歌うという圧巻の演出に多くのファンが魅了された。
センターステージに降りた後はスタンドマイクを回しながら動き回って歌う、パワフルなステージングは止まらない。ゴジラギターに持ち変えた高見沢がサポートメンバーの吉田太郎(Dr)、ただすけ(Key)を紹介し、「アコギ、坂崎」「ベース、まさる」「We are THE ALFEE!」と叫んだ後は、雑誌『AERA』の「THE ALFEEファンが選ぶ『まずはこの曲を聴いて!』読者アンケート」で1位を記録した「今年第30回目のみんな大好き『SWEAT & TEARS』!」。華やかなオープニングと共に観客には「まだまだ50年! これからもよろしく!」とメッセージが入った銀テープが放たれ、高見沢はそのままセンターに、桜井が上手に坂崎がゆっくり移動。ラストはセンターに3人が集まり恒例のヘドバンをし、会場は最高潮に。メインステージに戻った3人はサポートメンバーの2人とともに、深く頭を下げ手を振りながらステージを後にした。
程なくして2度目のアンコールに突入。高見沢と坂崎はアコースティックギターを持ち、桜井はベースを持たずにコーラスに参加する「明日なき暴走の果てに」へ。高見沢が「未だゴールは見えず」というのは、まさにデビュー50年を経た自分たちだと語り、「みんなと出逢えて、僕らの歌を選んでくれて、コンサートを選んでくれて、なんとか50周年。でもまだまだこれから! 当面はみんなでライブ3000本を目指しましょう! 活動もやめないし引退もしないし、まだまだ伝えたい歌がたくさんあるので安心してついてきてください」と熱く語る。「『いつもどんなときもTHE ALFEEの歌がそばにあった』そんな存在のバンドと言われ続けたい」という思いを込めて、「いつも君がいた」を演奏。感動であふれる会場に、懐かしく聞こえてくる坂崎のハーモニカの音。古くからのファンは、“夏イベ”といえば思い出すあの曲を期待し、ざわめきが起こる。「夜明けのLANDING BAHN」が始まると、会場にはミラクルウィングがふわふわと宙を舞う。演奏が終わると再び3人が集まり、固く肩を組み3方向に頭を下げ、ステージを後にした。
前日にはなかった3度目のアンコールを期待する観客は、最後の力を振り絞って声を上げる。歓声のなか登場した3人が大ラスに選んだのは、これも“夏イベ”の代名詞である「ROCKDOM-風に吹かれて-」。曲冒頭のドラム音だけで大歓声が湧き、サビではこの曲が初めて演奏された「THE ALFEE 1986 8.3 SWEAT & TEARS TOKYO BAY-AREA」と同様に大合唱が起きる。客席の美しい歌声に聴き入るメンバーたち。曲の終わりでは3人が花道を通りセンターステージであいさつ、メインステージに戻りまた3方向に頭を下げ手を振りながらステージを名残惜しそうに後にした。
祭りは終わった。でも静けさもなければ、寂しさもない。まだまだ50周年の特別なイベントや放送が控えているのもあるが、秋のツアーも発表されて、積み重ねていく1年がまた始まることをみな知っているからだ。そして「安心してついてきてほしい」その言葉を信じ、THE ALFEEと共に過ごす青春が1日でも長く続くことをファンは願っている。
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