Rockon Social Club、新鮮さと円熟を共存させたロックミュージック ミニアルバム『SUMMER OF LOVE』先行レビュー
成田昭次(Vo/Gt)、高橋和也(Vo/Ba)、岡本健一(Vo/Gt)、前田耕陽(Vo/Key)、青山英樹(Dr)、寺岡呼人(Gt/Ba)。男闘呼組のメンバーを中心に構成され、2023年から本格的に始動したRockon Social Clubが全国ツアー『KURE 5-56 Presents Rockon Social Club Reloaded Tour 2024』を開催している。
全30公演が行われる今回のツアーでは、「ポイントちょーだい」「Summer of Love」など9月6日リリースのミニアルバム『SUMMER OF LOVE』の楽曲をいち早く披露。さらにアンコールでは【男闘呼組メドレー】(「ANGEL」「TIME ZONE」など)を披露し、全国各地のファンを熱狂させている。
2022年7月に約30年ぶりに活動を再開し、2023年8月まで駆け抜けた男闘呼組は、Rockon Social Clubへとつながり、新旧の楽曲をプレイすることで、新鮮さと円熟を共存させたロックミュージックを体現。その姿はまさに“Reloaded”と呼ぶにふさわしい。
これまで培ってきたスキルや経験を活かしながら、新たな作品へと結びつける。そのスタンスは、新作ミニアルバム『SUMMER OF LOVE』にもしっかりと反映されている。ここからは、収録曲を一つひとつ紐解いてみたい。
1.「Summer of Love」 (作詞・作曲・編曲:寺岡呼人)
ミニアルバムのタイトル曲「Summer of Love」は、爽やかな夏の空気を感じさせるアッパーチューン。夏のビーチを舞台に〈このまま2人で/溺れてしまいたい/夏の魔法がとける前に〉という歌詞を描き出すこの曲からは、Rockon Social Clubのポップな側面が伝わってくる。80年代のJ-POPを想起させる開放的なメロディと、バンドとしての魅力を感じさせるサウンドメイクの対比も印象に残る。メンバーの演奏シーンとともに、多様な愛の形をテーマに織り込んだMVにも注目してほしい。
2.「ポイントちょーだい」(作詞・作曲・編曲:寺岡呼人)
しなやかで鋭利なギターリフ、華やかなホーンセクションで幕を開けるロックナンバー。ファンクの匂いを感じさせるビート、ワウギターを効かせたギタープレイを含め、思わず身体を揺らしたくなるグルーヴィーな楽曲に仕上がっている。〈ポイントちょーだい〉〈ポイント使おう〉というユニークなサビも印象的だ。“何を買ってもポイントが貯まる”という世情を背景に、“これってどうなの?”、“どうすれば役に立つの?”というメッセージを楽しく表現している。
3.「Breaking News」 (作詞・作曲・編曲:寺岡呼人)
冒頭から激しく歪んだギターが炸裂。DJスクラッチなども取り入れられ、ミクスチャーロック、ヘビィロックの潮流を感じさせるサウンドが体現されている。ハードドライビングな音像とともに放たれるのは、ニュースが人々に与える影響を描いた歌詞。膨大なニュースに押し流され、疑心暗鬼になり、恐怖を煽られる。そんな状況をリアルに映し出した、社会風刺的な表情を持った楽曲と言えるだろう。