堂本光一にとって少年隊や『PLAYZONE』は不可欠な存在だった 植草克秀との揺るがない信頼関係
もちろん堂本も「この梅田芸術劇場では、前田美波里さんが怪我をされたことがあって、3年ぐらい植草さんブランクがあった中で急遽東京から大阪に来てくださって。中一日で準備をして出演してくださったっていうのがありました」と振り返らずにはいられない。そして「お会いすると本当、一瞬であの頃に戻るというかね」と、その存在感の大きさについて語った。
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そんな植草が駆けつけた大阪公演初日のカーテンコールの様子は、『SHOCK』の公式インスタグラムに動画でアップされている。恥ずかしがる植草を堂本が引っ張るようにしてステージ上に連れ出し、思わずハグするところは、改めて2人の強い絆と揺るがない信頼関係を感じさせるものだった。植草が「やっぱ『SHOCK』いいね、最高! 懐かしかったし、そして新しい! 光一の凄さもすごく感じました」と観劇した感想を述べると、堂本が感慨深そうに「びっくりしたのが植草さんがオーナー役をやってらした年齢になったんです。最初のころの」と返したのもまたグッとくるものがあった。しかし、すかさずに「今日観ててね、素敵なオーナーで良かったよね。俺のときはさ、ふざけてたから!」と笑いをさらっていくあたりも、さすがの一言だ。
堂本にとって少年隊の存在がなくてはならなかったように、植草にとってもまた『SHOCK』という作品は人生において重要な作品だったという。今年2月のインタビューで植草は、『SHOCK』について「2008年と09年に出たんですけど、その後も『SHOCK』の観劇を続けています。自分が演じた役を他人が演じているのを観るのは刺激にもなりますし、自分に足りないものがわかりますから」(※1)と話しており、ずっと影響を受け続けてきた作品であることを明かしていた。
きっと良い関係性というのは、どちらか一方が圧倒するものではなく、双方に学び合い、鼓舞し合うものなのだろう。『SHOCK』の公演を重ねるたびに堂本が後輩たちに成長の機会を与えてきたが、その期待に応えようとひたむきに努力する後輩たち姿勢を見て、堂本自身も触発されてきたものがあったように感じる。そうして毎回新たなチャレンジを続ける堂本の舞台を観た先輩の植草にも刺激を与えてきた。その植草が駆けつけることによって、また堂本の奮起を促してきたのではないか。
この四半世紀続いた『SHOCK』という作品は、そんな表現者たちのエンタメに向き合う人々の真摯なエネルギーが集結した特別な舞台だったように思う。だからこそ、ラストイヤーという現実が寂しくてならない。できることなら、少年隊の『PLAYZONE』、そして堂本の『SHOCK』のイズムを引き継ぐ、新たな舞台がまた生まれ、続いていくことを期待している。
※1:https://futabasha-change.com/articles/-/637?page=3
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