THE ALFEE、前人未到の領域を更新するデビュー50周年 衰え知らず、人気を拡大してきたバンドの足跡

 解散も活動休止の期間もない、正真正銘の「デビュー50周年」という前人未到の記録を更新している、桜井 賢(Vo/Ba)、坂崎幸之助(Vo/Gt/Per)、高見沢俊彦(Vo/Gt)によるロックバンド、THE ALFEE。春と秋の全国コンサートツアーやレギュラーラジオ番組に加え、2024年のデビュー50周年は数々の雑誌の表紙を飾ったり、音楽番組に出演したりと多忙な日々を送っている。加えて「秋田竿燈まつり」で「THE ALFEEの竿燈」があがり、「青森ねぶた祭」では「THE ALFEE ねぶた」が運行、TikTok公式アカウント開設にTHE ALFEE展『THE ALFEE'S LEGACY ~50年の足跡~』の開催告知と日々新情報が出てくる。そして8月25日にはCSチャンネルで、デビューからの50年を振り返る3時間に及ぶ特番『The Day.~アーティストたちの特別なあの日~【THE ALFEE】デビュー50周年スペシャル』も予定されている。その幅広い活動で、デビュー50年を迎える今、若年層を含めファンを増やしつつあるという状況になっている。その理由は何なのか?

 桜井が在籍していた前身バンド「コンフィデンス」に坂崎が加入、その後、高見沢が加わって、1973年明治学院大学キャンパスにてグループを結成。翌年の1974年8月25日、ALFIEとして、松本 隆作詞、筒美京平作曲のシングル『夏しぐれ』でデビュー。研ナオコやかまやつひろしといった事務所の先輩のバックバンドを務めながら活動していくが、しばらくはヒットに結びつかなかった。その後、本格的に自分たちで曲を作るようになり、バンド名をALFEE(1986年にTHE ALFEEの表記に変更)に変え、1979年シングル『ラブレター』で再デビュー。ライブを中心にした活動で徐々に人気を獲得し、1982年には所沢航空記念公園で行われた初の野外イベント『ROCK'N'ROLL FIGHTING NIGHT-悲しみをぶっとばせ!!-』を成功させる。そしてついに1983年、デビュー9年目にしてシングル『メリーアン』で初のチャートトップ10入り。その後2024年7月に発売された73枚目となる、Double A-Sideシングル『KO.DA.MA./ロマンスが舞い降りて来た夜』まで、チャート誌に58作品連続ベスト10入りを果たし、男性アーティストでは歴代1位タイを記録している。

 その人気の理由は、第一に楽曲の良さにあると言えるだろう。デビュー当時こそフォークグループというカテゴリーだったが、その後は時代と共にロックを取り入れ始め、ヘヴィメタルやプログレッシブ・ロック、ダンスミュージックなどを取り入れたバラエティあふれるサウンドへと変化していく。彼らの真骨頂とも言える三声のコーラスを武器に、ときにはヘヴィにときにはアコースティックに、そしてファンタジックでありながら、どこか懐かしく心に沁みるメロディの“THE ALFEE節”に変換していく。加えて幼い頃から文学に親しみ、近年は小説家としても活躍する高見沢の歌詞の世界にもその魅力がある。さまざまなものからインスピレーションを得たものを高見沢俊彦というフィルターを通してストーリー化した、夢、時代、愛、友情、孤独などをテーマにした歌詞。その中のフレーズには心に残るものが多くあり、それがさまざまな年代の聴く人に突き刺さり、生きていく希望に変えていく。

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