柚希礼音、進化の最新形と宝塚歌劇団への想い詰め込んだ『REON JACK5』 ゲネプロの様子をレポート
2016年に初開催されて以降、進化を重ねている柚希礼音のソロコンサート『REON JACK』。第5回目となる『REON JACK5』が8月9日・ヒューリックホール東京で初日を迎えた。
芸歴25周年を記念した今回は、宝塚時代をともに歩んだ4人の元星組男役スター・汐月しゅう、天寿光希、麻央侑希、綾凰華と共演。数多くのアーティストのバックダンサーを務め、柚希の楽曲「アラート」のMVにも出演している川本アレクサンダー、ミュージカル作品での活躍が目覚ましい19歳の東島京――男性ふたりとの息の合ったダンスパフォーマンスも大きな見どころとなっている。そして各公演には日替わりゲストが出演。本稿では、東京初日直前に行われた公開ゲネプロの模様をレポートする。
「芸歴25周年の年に『REON JACK5』ができることを本当に嬉しく思っております。星組時代を一緒に歩んだ4人に出てもらいますが、思い出話をいっぱいしながらお稽古をしていました。4人の後ろには何十人、何百人との思い出もあって、それもよみがえります。9年ぶりくらいの共演なんですけど、一瞬であの頃に戻れますし、さらに絆が深まった感じがします」と囲み取材で語り、意欲を存分に示していた柚希。そしてその直後、ゲネプロのステージに立ってライトを浴びた時の彼女の輝きは、本当に圧倒的だった。歌いながら踊り、全身で表現する姿から片時も目を離せない。ステージ上にはさまざまな大きさのミラーボールが配置されて光を放っていたが、まぎれもなく最も輝いていたのは彼女だった。
前回の『REON JACK4』が開催された2021年はコロナ禍の真っ只中であり、ソーシャルディスタンスの確保を含めて様々な制約があったが、今回は制限なしでの公演。定番曲「REON JACK」を含め、観客と声を交わしながら盛り上がることのできる場面が随所に盛り込まれていた。柚希を含めたキャストたちが客席内の通路を巡りながら歌い踊る曲も楽しい。ファンとの間近でのコミュニケーションを柚希も楽しみにしている様子だった。
宝塚時代の姿がよみがえるメドレーも要注目だ。長年にわたって応援しているファンの胸を熱くさせずにはいられないだろう。汐月、天寿、朝央、綾とともに踊り、歌い上げるナンバーが、数々の名場面に新たな生命を注ぎ込んでいた。優美であると同時に、凛々しさ、雄々しさ、気高さにも満ちている柚希のダンスと佇まいは、まさしく唯一無二。星組の男役トップスターであった彼女のかけがえのない魅力を再確認させてくれた。メドレーがどのような曲で構成されているのかは、ぜひ劇場で実際に体感し、確認してほしい。