timelesz「5人で抱いた夢はこれから僕たちが叶えていく」 3人でまわる最初で最後のアリーナツアーを観て
timeleszが、改名後初のアリーナツアー『We're timelesz LIVE TOUR 2024 episode0』を開催中だ。「新生timeleszの挨拶まわり」というコンセプトで6月にスタートした同ツアー。8月に行われる大阪公演までに全国7都市、25公演を敢行予定で、3人で行うライブツアーは今回が最初で最後になるという。
本稿では7月23日の横浜アリーナ最終公演の模様をレポートする。全編にわたりライブ内容に触れるため、以下ネタバレにご注意願いたい。
猛暑の夜の横浜アリーナ。彼らを待つ客席のsecondz(ファンの呼称)からは、さまざまな想いを内包しながらも、愛情と期待感であふれた高揚感が伝わってくる。開演直前、手拍子とtimeleszコールが鳴り響くなか、timeleszのロゴに時計の秒針が重なると、大きな拍手が沸き起こった。アイドルのマネージャーに扮した3人が、挨拶まわりに奮闘するコミカルでユーモアたっぷりなオープニング映像を経て、ライブタイトルが大きくスクリーンに映し出されると、いよいよライブが開幕だ。
「行くぞ、横浜!」の声でスタートしたこの日の1曲目は、昨年のドームツアーで最後に披露された「RUN」だ。時に顔を見合わせ、胸を叩き、まっすぐに前を向いた3人が、力強く声を放っていく。timeleszの今が、過去と地続きであることを堂々と示すような幕開けだった。
客席を広く見渡しながら歌われた「Trust Me, Trust You.」、ムービングステージで切れ味鋭いダンスを披露した「人生遊戯」と、彼らが次々に放つ熱に客席も圧倒され煽られていく。「Forever Gold」はゴールドのラメが降り注ぐなかで歌われ、secondzとともにコール&レスポンスを楽しんでいく。菊池風磨がクールな笑みを浮かべて「『We're timelesz LIVE TOUR 2024 episode0』、盛り上がっていこうか!」と煽ると、ステージが暗転した。
シルエットが浮かび上がり、佐藤勝利と松島聡がバックに流れる映像とシンクロしたコンテンポラリーダンスを披露すると、続く菊池が、timeleszとしての決意、その強い想いがストレートに書かれたリリックをオリジナルのラップに乗せていく。
大人の魅力を開花させた「Sleepless」に続き、「IF YOU WANNA DANCE」、「夏のハイドレンジア」を歌い繋ぐと、ムービングステージにいたメンバーが向かい合い、笑顔で歌われた「puzzle」へと続いていく。ライブを観た先輩・櫻井翔からのアドバイスで演出を変えたとのことで、3人も「グッときた」「いい時間だよね」と後のMCで語っていたが、まさに彼らの絆や思いをシンプルな形で最大限に表現したステージだった。会場のシンガロングも相乗効果となり、その場にいるすべての人の個性と想いが肯定されたかのような、優しさに満ち溢れたパートとなった。
趣向を凝らしたソロコーナーも、今回のツアーの見どころだ。「Black/White」を披露した佐藤はマイケル・ジャクソンを彷彿とさせる黒いジャケットに身を包み、クラシックでアダルトなダンス&ボーカルで会場を魅了。正統派の素晴らしさをあらためて感じさせた。「rouge」をパフォーマンスした菊池は、素肌に赤いジャケットをまとい、妖艶に魅せる。マイクなしのアカペラを織り交ぜつつ、セットに置かれたソファやベッドを使った演出も秀逸だ。松島は、自身の活動休止中に他のメンバー4人でパフォーマンスした映像を背景に、「CRY」をソロで披露。しなやかさと力強さを携えた実力派のダンスは、全身で過去と現在、そして未来へ想いを伝えるものだった。
ダンサーによるインタールードに続いて、timeleszのロゴをモチーフにしたベージュとブラウンを基調としたスーツ衣装に着替えた3人が再登場。次々に楽曲を披露していくが、なかでも会場全体の温度が上がったのは「スキすぎて(コール 2024ver.)」だろう。横浜アリーナの隅から隅まで見渡し、コールとユーモラスな表情で会場の熱気を煽っていく。
MCでは横浜公演最終日の会場の熱量の高さに触れ、メンバーもそれぞれ「テンションが上がりすぎている」と話す。オープニングや「puzzle」では「泣きそうになった」と明かし、感情が高ぶっている様子で、3人が互いを泣かせようと褒めちぎったり、ねぎらったり、感謝を伝えたり……と優しく和やかなMCタイムにあたたかい笑いが起こった。
3人は階段に腰掛ける。佐藤のアコースティックギターの演奏で歌われたのは、「君と…Milky way」。さらに客席がオレンジのペンライトで彩られた「Dream」と、感動的な場面が続く。
そしてこの日はスペシャルゲストとして、シンガーソングライターのiriが登場。提供楽曲の「make me bright」をコラボレーションした。iriのソウルフルなラップ&ボーカルと、timelesz 3人の声が色鮮やかに交差する。この日限りの歌声を織り成した、特別なステージだった。
ライブもいよいよ後半に入り、ヒット曲をリミックスしたメドレーで会場の温度がどんどん上昇していく。妖艶な「NOT FOUND」を導入に、「君にHITOMEBORE」、「King & Queen & Joker」、「風をきって」、「勇気100%」と懐かしいメロディを繋げていく。松島から「みんなの笑顔見せて!」という声が投げられると、客席のペンライトが大きく揺れる。メドレーを締めくくったのは「Silver Moon」。不思議と今の彼らとsecondzを象徴するような一曲に、ペンライトの振り付けで会場がひとつになった。