East Of Eden、1周年に向けて磨き上げる挑戦 『Forbidden Fruit -2nd piece-』制作を徹底的に語る

East Of Eden、1周年に向けた挑戦

草野華余子から見たEast Of Edenの新しい形

――ラストは「CROSS∞ROADS」。以前、オフレコで「実は草野さんともう1曲準備している」とおっしゃっていましたが、それがこの曲なわけですね。

湊:そうです。歌詞に関しては草野さんから「あなたにとっての楽園とはなんですか?」という質問が届いて、私たちが思っていることを書いて送ったんですけど、それが反映された歌詞になっています。

Ayasa:「Judgement Syndrome」はタイアップ(BS-TBS火曜ドラマ9『御社の乱れ正します!』主題歌)ありきの楽曲だったので、草野さんとしてもEast Of Edenのために書いた曲ではあるけど、ドラマの世界観も反映させることに注力していて。だからこそ、草野さんから見たEast Of Edenのイメージでもう1曲書きたいと言ってもらえたことは、本当に嬉しかったです。曲を作る上での動機やテーマが違ったからこそ、「Judgement Syndrome」とはまた違った楽曲に仕上がったなと思います。

――湊さんは歌ってみていかがでしたか?

湊:デモで聴いた時はサビ終わりの〈夢にも触れられる〉とか、ラストの〈この声よ 新世界へ、放て〉とか、全然伸ばして歌っていなかったんですけど、レコーディングでは調子に乗ってしまって(笑)。かなり伸ばしてしまったが故に、「ライブでそこまでできるのか……やっちゃったな」と思ったりもしたんですけど、そこも含めて楽しんでもらえたらなと思います。アニソンっぽさもあって、気持ちよく出し尽くせるという意味では一番しっくりきている1曲です。

――草野さんは湊さんの大ファンなので、そういったポイントも意識していたのかもしれませんね。

湊:そうですよね、私の歌の活かし方をわかってらっしゃるなと思いました。

MIZUKI:この曲、最初にBPMが127と聞いていたんですが、実際はその倍テンポで(笑)。254のカッコいいフレーズって何ができるのかな……とめちゃくちゃ考えて、それをなるべく入れられるようにレコーディングに臨みました。アウトロも歌が入っていないから「やっちまえ!」みたいな感じで、フィルもたくさん入れさせていただいた分、ライブが大変になってしまいました(笑)。

Yuki:私は「この歌メロだったら、こっちのコードのほうがよくないか?」と、わかざえもんちゃんと連絡を取り合って。

わかざえもん:レコーディングでは私が最初に弾くし、私が決めたコードがベースになっていくから責任重大で。Yukiさんに連絡して細かく詰めていく中で、「ここ、音がぶつかっちゃいますか?」とかそういうやり取りをしました。

Yuki:「Judgement Syndrome」もそうなんですけど、「CROSS∞ROADS」もデモではもう少しギターが歪んでいたところに、あえてクランチ要素を入れた音にしようと思ったんです。音色も、“この曲のための音色”って感じでこだわったところがあり、バッキングもシンプルな王道パターンで攻めていて。ギターソロも音数を少なく、シンプルにしようと思っていたんですけど、アウトロにわかざえもんちゃんのベースのタッピングが入っていたのを聴いて、ちょっと寂しくなってきちゃって(笑)。

MIZUKI:やっちゃったんだ(笑)。

Yuki:「もしかして邪魔だったかな?」とも思ったんですけど、最終的な判断は草野さんにお任せしようと。一応「タッピングも入れてみました」って付け加えたら採用されました。ソロも自分なりにシンプルなフレーズで、でもトリッキーさも取り入れつつ。タッピングのスライドも入れてみたんですけど、メロディラインはシンプルにしていて、最後はAyasaさんとハモっているところでEast Of Edenらしさを出せたので、よかったかなと思います。

Ayasa:この曲はイントロのバイオリンがずっと16拍子で刻んでいて、メロのようでもあり、重音で厚みも出しているという感じなんですけど、もともともらっていたデモだとそこまで派手ではなかったんですよ。なので、派手に音圧を出せる組み合わせに勝手にさせてもらったりと、自分なりにそういうことを楽しく考えながらレコーディングしました。あと、今回はスケジュールの都合で草野さんはレコーディングに立ち会うことができなくて、その場でジャッジできる人がいなかったので、Yukiさんと同じように楽譜通りのパターンと私なりに変えたパターンを録って、「お好きなほうを使ってください」と提出しました。こちらも、私なりに弾いたほうを使ってもらえたのでよかったです。

East Of Eden / CROSS∞ROADS (Music Video)

――この曲はMVも新鮮な仕上がりでしたね。

Ayasa:そうですよね。そもそも赤を基調にしたテイストも初めてですし。

湊:今回、赤と黒のコントラストが素晴らしくて。ダンサーさんにも入ってもらっていますし。

Ayasa:MVもリンゴから始まって――。

湊:「Judgement Syndrome」からのつながりで、リンゴが水の中に落ちて始まるという。

Ayasa:ずっとモノトーンのイメージで来たので、最初に色を入れるのであれば赤がいいなとなんとなくは思っていたんです。今かどうかはすごく悩んでいたんですけど、ちょうどMVの井上 強監督が「今回は赤を入れるのがいいんじゃないか」と、私が言う前から提案してくださっていたので、それならいいんじゃないかなと。今回のツアーでも赤い衣装も着て演奏したんですけど、思った以上の迫力だったとお客さんから言われました(笑)。

――記事が掲載される頃には初のワンマンツアー『1st Live Tour - Forbidden Fruit -』も終了していますが、3月以降、イベントやフェスなどでもライブをする機会が増えています。

Ayasa:フェスとかイベントってどうしても時間との戦いで、とにかくMCでは大事なことだけ言えればよくて、基本的には曲を多く披露する感じだったので、ワンマンとはまた別モノというか。曲とか自分たちのことを知ってもらうためにライブをしている感覚が強いんですよね。ただ、曲の鍛錬度とか、練習しているだけでは得られない経験値がどんどん増えていくので、そういう面ではすごくいいですけど、ワンマンはまだ(取材時点で)5本なので、そういう意味ではまだまだ足りないところも多いのかなと。曲をもっと増やしたりとか、演出然りMC然り、より総合的に楽しんでもらえるようにしたいなと思っているところです。

――今作リリース後には、初のファンクラブイベントに加え、11月29日にLINE CUBE SHIBUYAで1周年記念ワンマンライブも控えています。

Ayasa:ミニアルバムが出る前にツアーを回り切っちゃいますし、しかも6月のツアーでは「Eden」と「CROSS∞ROADS」に関してはお客さんは初めて聴く状態で。そこからちょっと期間は空いちゃうんですけど、このミニアルバムが出たらじっくり聴き込んでほしくて。そして改めて1stミニアルバムも含めて、お客さんがちゃんと準備をしてきた状態で11月にライブができるというのは、すごく心強いです。

湊:去年の1stライブに比べると、ファンにも優しいよね(笑)。

Ayasa:ね(笑)。ライブを重ねるごとにこちらも慣れていくのはもちろん、ライブ自体の演出のレベルも格段に上がっていて。それは今回のツアーを通じてさらに感じてもらえたと思うんですよ。しかも、お客さんも音源や映像作品で事前に予習して、自分たちなりに理解した状態で楽しもうとする気概がすごく感じられた。だからこそ、今回の2ndミニアルバムをリリースした後のライブというのは、お客さんから届くパワーもまた変わってくるんだろうなと思うので、今から楽しみにしています。

※1:https://realsound.jp/2024/05/post-1647889.html

『Forbidden Fruit -2nd piece-』

◾️リリース情報
『Forbidden Fruit -2nd piece-』
2024年7月24日(水)発売
配信:https://jvcmusic.lnk.to/forbiddenfruit2ndpiece
初回限定盤A(CD+Blu-Ray)¥5,500(税込)
初回限定盤B(CD+DVD)¥4,400(税込)
通常盤(CD)¥2,750(税込)

<収録曲>
1.Judgement Syndrome
2.Chasing The Moon
3.Eden
4.鈍色のラビリンス
5.CROSS∞ROADS

<初回限定盤A・Blu-ray収録内容>
1. Judgement Syndrome(Music Video)
2. CROSS∞ROADS (Music Video)
3. Judgement Syndrome(Music Video) -Making Movie-
4. CROSS∞ROADS (Music Video) -Making Movie

<初回限定盤B・DVD収録内容>
1. Judgement Syndrome (Music Video)
2. CROSS∞ROADS (Music Video)

◾️ライブ・イベント情報
『East Of Eden Fan Meeting 〜楽園へようこそ Vol.1〜』
2024年7月29日(月)開場18:00、開演19:00
会場:ヒューリックホール東京
前売券:指定席¥7,500(税込)、当日券各種:¥500Up
詳細:https://fan.pia.jp/east_of_eden_official/

『East Of Edenバンド結成1周年記念スペシャルライブ』
2024年11月29(金)開催
会場:LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)
詳細は後日発表予定

East Of Eden オフィシャルサイト

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