トゲナシトゲアリが中国でも人気爆発、円盤も異例の大ヒット 『ガールズバンドクライ』2024年上半期アニメシーンに残した爪痕

トゲナシトゲアリが中国で人気爆発

 4月5日深夜から放送がスタートしたテレビアニメ『ガールズバンドクライ』は、6月28日深夜放送の第13話「ロックンロールは鳴り止まないっ」にて最終回を迎えた。放送開始前からアニメの造詣の深いファンの間で話題を集めてきた本作だが、初回放送以降回を重ねるごとにその話題性はSNSなどを通じて拡散していき、劇中ロックバンド“トゲナシトゲアリ”を題材にした青春群像劇や各話のタイトルに用いられた日本のロックの名曲、劇中で使用される楽曲のクオリティの高さなども相まって、最終的には音楽ファンをも巻き込み、最良の形でクライマックスを迎えたのではないだろうか。

 『ガールズバンドクライ』は漫画やライトノベルなどの原作が存在しない完全オリジナル作品だったこともあり、物語の着地点含め先の読めない展開も注目度の高さにつながったと言える。こうした影響もあってだろうか、最終回を待たずして6月26日に発売されたBlu-ray&DVD『TVアニメ「ガールズバンドクライ」Vol.1』は1.2万枚を売り上げるなど、原作のないテレビアニメとしては異例の大ヒットを記録。5月22日に2枚同時リリースされたトゲナシトゲアリのシングル『雑踏、僕らの街』(番組オープニングテーマ)および『誰にもなれない私だから』(同エンディングテーマ)は、オリコン週間ランキングでそれぞれ16位、22位を記録したのを筆頭に、劇中歌を収録した6月19日発売のシングル『視界の隅 朽ちる音』は最高9位、7月10日発売のシングル『空白とカタルシス』は最高6位と、リリースを重ねるごとに順位を上げている。さらに、もうひとつの劇中バンド“ダイヤモンドダスト”によるシングル『Cycle Of Sorrow』(7月10日発売)も最高10位を記録するなど、『ガールズバンドクライ』という作品の人気ぶりが窺える。

 こうした楽曲への注目度は何もCDセールスに限ったことではなく、サブスクなどの配信サービスにおいてもそういった傾向は顕著に表れている。アニメの物語が大きく動き始めた5月(第5話「歌声よおこれ」以降)には、Spotifyのバイラルチャートトップ50にトゲナシトゲアリが5曲(「雑踏、僕らの街」「空の箱(井芹仁菜、河原木桃香)」「声なき魚(新川崎(仮))」「爆ぜて咲く」「誰にもなれない私だから」)同時にチャートイン。これも間違いなく『ガールズバンドクライ』という作品に対する注目度の高さが窺えるトピックと言える。

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