NIKO NIKO TAN TAN、ツアーを完走して迎える新しいシーズン 盟友Tempalayも駆けつけた東京公演

ニコタン、Zepp Shinjuku公演レポ

 NIKO NIKO TAN TANが『2MAN TOUR 2024"喜劇"』を開催。4月の名古屋はw.o.d.、5月の大阪はego apartment、そしてファイナルの東京・Zepp Shinjuku (TOKYO)には盟友Tempalayを迎えた。ここでは東京公演を振り返る。

 NIKO NIKO TAN TANにとってTempalayはOCHAN(Vo/Synth)がニコタン結成以前から小原綾斗(Vo/Gt)と知り合いだったことに加え、2022年以降のTempalayのツアーにサポートで参加することで、よりTempalayのリスナーに知られるようになった事実がある。満を持しての対バンにフロアは初っ端から熱い。

 ニューアルバム『((ika))』のツアーを終えたばかりのTempalayがどんなスタンスで対バンに臨むのか注目したが、この日も1曲目は新作から「愛憎しい」でスタート。儀式っぽいクワイヤも新鮮だが、この日はパーカッションも入ることでさらにプリミティヴな印象が増幅。あとでこのプレイヤーがOKAMOTO'Sのオカモトショウで、しかも小原との飲みの席で急遽決定したことが明かされた。これだからライブは一期一会なのだ。その後も新作から「NEHAN」や「とん」を披露。ノスタルジックな歌メロとどこかサイケデリックなアレンジやサウンドを内包したカオスな音楽性というこれまでの印象をいい意味で覆すタイトになった演奏やアレンジ、体験したことのないような極端な音の強弱などで、フロアを別世界に連れ出して行く。サポートと言えば、白いマスクを被ったキーボード兼ギター担当がおり、明らかにOCHANだとバレているのに、小原曰く「今日はNIKO NIKO TAN TANとの対バンなんでさすがにOCHANを呼ぶわけにもいかず」という、OCHAN自らは存在を明かせない状態に持っていくのも彼ららしい関係を窺わせた。中盤には「未知との遭遇〜my name is GREENMAN」をミックスしたライブアレンジで、さらにグルーヴが異次元に。後半はバックライトでメンバーのシルエットが際立ち、和のメロディとアトモスフェリックな音像が堪能できた「月見うどん」、アジアやアフリカなど非西欧圏のリズムを昇華した壮大な「ドライブ・マイ・イデア」など、アルバムの世界観を凝縮して展開。ラストはお馴染み「そなちね」で、小原の叫びと共に照明が白々と明度を増す演出も圧巻だった。

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