INI、稲葉浩志、10-FEET、Kroi、RIIZE、tuki. ……注目新譜5作をレビュー

Kroi「Stellar」

Kroi「Stellar」

 ニューアルバム『Unspoiled』の1曲目に収められた「Stellar」は、エレクトリックシタール(インドの伝統楽器・シタールを再現した音を出せる楽器)で演奏されたテーマ、そして、ファルセットによるコーラスからはじまる。エキゾチックな雰囲気が漂うなか、内田怜央(Vo/Gt)の官能的なボーカルが重なり、徐々にAOR〜フュージョン的なアンサンブルに移行……と言葉で説明してもよくわからないかもしれないが、「この音、何?」「こんな展開アリなの?」という驚きを伴いながら、どこまでもスムーズ&グルーヴィンな気持ちよさを与えてくれる。アルバムタイトルに込められた“ダサいものは実はカッコいい”という意図をストレートに表した楽曲と言えるだろう。〈何かが変わる 予感だけがする〉となんともじれったい状態を映し出す歌詞もクセになる。(森)

RIIZE「Boom Boom Bass」

RIIZE「Boom Boom Bass」

 現在、世界9カ国を巡るファンコンツアーを開催中のRIIZE。1stミニアルバム『RIIZING』のタイトル曲「Boom Boom Bass」の主役は、ずばりベースだ。70年代後半〜80年代前半あたりのディスコ〜ファンクのテイストを色濃く反映したベースラインはしなやかにして濃密。『Off the Wall』(1979年)の時期のマイケル・ジャクソンを想起させる最強のベースプレイに煽られるように、メンバーのボーカル&ラップもこれまで以上にグルーヴィーだ。英語と韓国語をミックスしたリリックの響きも相まって、リスナーの感情と身体を気持ちよく揺らしてくれる。楽器ショップを舞台にしたMVではメンバーが自由に音楽を楽しむ姿をフィーチャー。重心の低いビートに合わせ、高い身体能力を活かしたパフォーマンスを繰り広げている。(森)

tuki.「星街の駅で」

tuki.「星街の駅で」

 昨年9月に公開した最初のオリジナル曲「晩餐歌」が一気にバズり、今年に入るとストリーミング累計再生回一億回を突破。ソロアーティストの最年少記録を更新している15歳シンガーソングライターの最新曲。ネット発の若きクリエイターだが、似たバックグラウンドを持つ作家にとって半ば常識となっているボカロPカルチャーを彼女からはほとんど感じない。クラシックに基づく衒いのない和音構成。闇系でもジェットコースター系でもない、余韻たっぷりに響く歌詞の普遍性。少しの寂しさと芯の強さを併せ持つ声の魅力を前面に押し出したアレンジ。どれも正統派J-POPと解釈できるもので、今後、より広いフィールドでの活躍を期待したくなる。(石井)

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