ENHYPEN「運命の糸がもっと強く、絶対に解けないものに」 ワールドツアー埼玉公演徹底レポート

ENHYPEN、ワールドツアーで見せた今

 アンコールでは、再びシャツやTシャツといったカジュアルな装いを身に纏い、グルーヴィーなベースラインが光る「Sweet Venom」で登場。モニターに目を向ければHEESEUNGのサングラス姿に悲鳴が上がり、ステージ全体に視線を落とせば、何十メートル離れた席からも分かるほど息が揃った刀群舞やアイソレーションに惹きつけられる。リラックスしながらENGENEに手を振る「Orange Flower (You Complete Me)」では毛先まで踊っているように楽しそうに跳ねるSUNOOの姿が印象的だった。

 最後のコメントでは、メンバーの飾らない言葉を数多く聞くことができた。JAYは「今回、とても急だけど流れでJAKEの花嫁探しもしたし、楽しい経験もいっぱいしたけど……」と前置きし、「前回のツアーはドームでやっていたので、今回はもっとENGENEを近くで見て、今まで行くことができなかった地域まで行きたいと思っていました。いい思い出になりましたか?」と問いかける。「またいつか会いにきます。ありがとう、愛してる」――最後まで日本語で丁寧に気持ちを伝えるJAYの誠意に、再度心を掴まれた人も多いことだろう。SUNOOは、「本当に時間があっという間に過ぎた気がします。明日1日残すのみとなりましたがすでに寂しいですね」と別れを惜しむ。「いつもこうやって素敵な姿をお見せできてステージに立たせてくださるENGENEの皆さん、本当にありがとうございます」と、どれだけ大きな存在になっても謙虚さを忘れないのも彼らの魅力だ。

 JUNGWONは前日の公演後を振り返って「昨日(ケータリングの)ご飯をくださった方が『日本語すごいですね』って言ってくださりました」「(日本語を)一生懸命頑張ってますよとちょっと自慢したかったんです」と顔をくしゃっとさせ、リーダーながらもグループのマンネ(末っ子)ラインらしい表情を見せる。一方、「『FATE』ツアーで色んな国を回りましたがENGENEの団結力は日本が最高だなと思います」とも話し、「ENGENEの皆さんがしっかりと繋がっている姿を見るのがすごく嬉しいです。そのエネルギーでたくさんの力をいただけているような気がします」と、印象深いシーンを思い返した。SUNGHOONは公演を振り返り、「ランダムダンスをしている時も、僕たちが笑っているとENGENEも楽しんでいて、その姿を見ながら、僕たちは本当にコネクトしているんだなと感じることができました」と幸せそうに話す。「同じ1カ所で3日間、これだけ大きな会場でコンサートをするのは簡単なことではないので、改めて皆さんに感謝の気持ちが湧いています」と率直な感情を伝えつつ、最後には「3日間、ENGENEの綺麗な声と可愛い姿を見ることができて本当に幸せです」と日本語で語りかけた。

 序盤から話していた“花嫁探し”について、いよいよ結論を迫られたJAKEは、「いろいろと悩んだんですけど、選ぶことができないのでここにいるすべてのENGENEの皆さんの夫になりたいと思います。ENGENE全部(全員)僕のものです」とこの日最大の爆弾発言を投下。「他の場所では(こういった話を)気楽にしていますが、この会場のENGENEの皆さんはキラキラしたつぶらな瞳で見てくださるので緊張します。真心からの言葉なので期待していてください」と微笑み、県内最大収容人数を誇る会場をENGENEの叫び声に包んだ。HEESEUNGは、アンコール前にENGENE自ら「Let Me In (20 CUBE) [Japanese ver.]」を合唱したことに言及し、「さっき合唱してくださった時、日本のENGENEは声が本当にいいなと。皆さんの心の声に聴こえて、心がとても美しい方々なんだなと思いました」と称賛。また、HEESEUNGは「最近僕は前よりもENGENEの皆さんと会話をしようと努めています。もし街中で僕を見かけたら日本語で話しかけてください」「写真は撮れないかもしれませんが、握手はできます」とサービス精神旺盛に話して会場を熱狂させた。最後に(しかも埼玉で)放たれた関西弁での「めっちゃ好きやねん」も、彼の努力の表れだろうと思う。

 NI-KIは生配信視聴者に向け、「2時間半、長い間見てくださってありがとうございます」と感謝を述べると同時に、「学校や仕事を休んでまで見に来てくださってありがとうございます」と平日に駆けつけたENGENEを気遣う。前回の『FATE』は初めて東京ドームに立つなど叶えられた目標も多く、愛情のこもったツアーだったと述べたうえで、「『FATE PLUS』が日本で終わりを迎えることができて、個人的にはすごく嬉しいです。思い出がたくさんあるので終わってほしくない気持ちが強いけど、次のステップに向けて頑張ります」と前向きにコメント。「また来てください、約束!」「声が枯れそうになるまでエナジーを送ってくださってありがとうございます。目に見えない運命の糸がもっと強く、絶対に解けないものになるように頑張ります」と次への約束をすることも忘れない。

 最後にハンズアップしながら「Karma」を歌うと、全員で横一列に並び手を繋いだ7人。「ここまで、ENHYPENでした!」と揃ってお辞儀した姿に、会場からはあたたかな拍手と歓声が送られた。どんな時も互いに一心に愛を注いでいるENHYPENとENGENEだからこそ、これほどまでに強固な心の繋がりが育まれるのだろうとあらためて納得できたワールドツアーだが、そんなアンコール公演も残りあとわずかだ。まずは9月1日、宮城での最終公演まで無事に駆け抜けられることを願いながら、今後のさらなる活躍を楽しみにしていたい。

ENHYPEN (P)&(C) BELIFT LAB Inc.

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