YUKI、新しい学校のリーダーズ、結束バンド、ヤングスキニー、今市隆二……注目新譜5作をレビュー

ヤングスキニー「不純愛ラブストーリー」

　5月の日比谷野外音楽堂、大阪城野外音楽堂で限定発売されたCD『大人の都合マジうぜえ』（なんつうタイトル！）が大好評につき配信決定。2曲の収録曲はどちらもヤケクソに近い怒涛のパンクロック。ことに「不純愛ラブストーリー」は、かやゆー（Vo/Gt）がその日限りで作ったバンド「無修正69」バージョンが昨年突如公開され、今ではヤングスキニーのライブ定番にもなった曲だ。まともに書き写すのがはばかられる不純極まりない歌詞を、結果的に案外ロマンチックなラブソングとして成立させてしまう構成がなかなかお見事。ジュウの髙浪凌（Vo/Gt）が監督を務めた最新MVも含めて、銀杏BOYZチルドレンと呼ぶべきこの世代の熱量が閉じ込められている。（石井）

今市隆二「RED」

　6月26日発売のアルバム『R』から先行配信。ソロでの今市隆二は、艶のある美声とファルセットを聴かせるR&B／ソウル路線を歩んでいる印象だったが、この新曲は不穏で強烈なビートが飛び交うHIPHOP。ドスの利いた声で始まる前半のラップはかなり新鮮だ。楽曲提供はD&H（PURPLE NIGHT）とYohei。ともにJ-POPとK-POPを自在に行き来するHIPHOP系プロデューサー・コンポーザーで、この起用は今市のキャリアにおいて大きな転機になりそうだ。とはいえ完全なラップソングでもなくて、中盤以降は彼らしい美声がたっぷりと響く。甘く伸びる高音域はいつもの安定感だが、オクターブ下のダブリングボーカルがクールなスパイスの役目を担う。（石井）