BOYNEXTDOOR、カムバックショーケースでデビュー1周年の想いを語る 2nd EP『HOW?』に滲む無二の感性
歌手兼音楽プロデューサーのZICOが率いる、HYBE傘下のレーベル KOZ ENTERTAINMENTに所属するボーイグループ・BOYNEXTDOORが、4月15日に2nd EP『HOW?』をリリース。同日夕方に韓国でメディア向けのショーケースを開催した。
初恋のときめきや動揺を描いた今作は、1stシングル『WHO!』と前作の1st EP『WHY..』に続く、“初恋”をテーマにした三部作の3作目。先行予約枚数は57万枚を突破し、前作と比べるとその数は約40%増という快挙を遂げて、好調のスタートを切った。カムバックの感想についてSUNGHOは、「今回の作品はメンバーみんなが音楽についてたくさん悩みながら作業した」と話し、「そのぶん、僕たちにぴったり合う服を着てカムバックをする気持ち。こうした悩みと努力がきれいに花を咲かせるような活動になれば」と自信を感じさせた。
今作は「初恋のストーリー三部作の最後の作品」でありながら、時系列としては『WHO!』と『WHY..』のあいだ、つまり、初恋の始まりと終わりの“真ん中”に位置するストーリー。時系列が前後するにもかかわらずこの順番でリリースした理由は、出会いと別れのあいだに何があったのかという好奇心をかき立てたかったためだという。
別れをテーマにした前作の『WHY..』が三部作の最終章となるため、一見するとサッドエンディングのようにも思えるが、WOONHAKは、「サッドエンディングというよりは、たくさんの表現をしたいという想いがあり、その過程でいろいろな感情が盛り込まれたと思います」と教えてくれた。今後の作品においても、初恋を描いた今回の三部作のように、たくさんの人が共感できるような親近感あふれるストーリーを届けていきたいという。
メンバーはこの日、タイトル曲「Earth, Wind & Fire」と、初デートの緊張とときめきを直感的に表現したリード曲「OUR」を初パフォーマンス。なかでもJAEHYUN、TAESAN、WOONHAKが作詞作曲に参加したタイトル曲「Earth, Wind & Fire」は、地、風、火といった自然が人間の思い通りには動かないように、青春の恋模様も思い通りにいかないもどかしさを表現した楽曲だ。
同曲を通じて、彼らは今作に“キッチュ”(Kitsch)と“ノームコア”(Normcore)を組み合わせた造語「キッチュコア」(KitschCore)を独自の感性として盛り込んでいる。「キッチュ――つまりお洒落で真似できないエネルギーに、「隣の少年たち」という名を冠する彼らが持つ親近感を加えることで、ウィットに富んだBOYNEXTDOORならではの色を表現。WOONHAKは「新鮮さと中毒性を同時に表現した曲」だと語り、「MVやコンセプトビデオにそういった感性が溶け込んでいて大満足です」とはにかんだ。
メンバーは楽曲制作にあたって“自信に溢れていてかっこいいのに恋だけはうまくいかない主人公”を設定し、そのもどかしい気持ちを表現した。なかでもJAEHYUNは映画『キングスマン』からインスピレーションを受けてジェントルさを溶け込ませたそうで、「ラップバースの〈Manners maketh man〉という歌詞に注目してほしい」と話した。
同じく楽曲制作に参加し、RIWOOのパートを担当したというTAESANは、「ダンスもボーカルもなんでもできてかっこいい、ポップスターのようなパートになればと思って作業した」と背景を語る。メンバーそれぞれが“かっこいい人”をどう表現したのかを考えると、楽曲がより楽しめそうだ。
そんなタイトル曲のポイントは、〈Baby boo, my sweetie darling, think I love you more〉というフレーズが繰り返されるサビの“Sped Up”区間。SUNGHOによれば、この部分を完璧に消化するために特に努力を重ねたそうで、JAEHYUNも「速い速度で歌いながらも音程を正確に合わせないといけないので、ピアノを一つひとつ弾きながら練習しました」と振り返る。その言葉通り、この日初披露されたパフォーマンスステージの完成度は、その努力をしっかりと証明するものだった。
1年前のデビュー当時から彼らがさまざまなジャンルに果敢に挑戦しているのは、曲のジャンルを決めて制作するのではなく、伝えたいテーマにいちばん合うジャンルの曲を選んでいるからだという。日頃のインスピレーションの得方もさまざまで、「ここからとは決めず、普段の生活から得ています」(JAEHYUN)、「ドラマや本、音楽から受けています。(収録曲「l i f e i s c o o l」の)LEEHANさんのパートの作詞でキャラクターを悩んだ際には、エルヴィス・プレスリーの音楽をオマージュしながらライムや歌詞にインスピレーションを受けました」(TAESAN)、「ONEDOOR(ファンの呼称)の皆さんからインスピレーションを受けています」(WOONHAK)と各々の個性溢れるアーティスト性を感じさせた。