リアルサウンド連載「From Editors」第53回:The BONEZが実現した“真のユナイト”と、人生を変えたPTPの1曲
Pay money To my Pain・Kの意志は今も受け継がれる
また、MCではPTPのKについて触れられる場面もありました。昨年、ドキュメンタリー映画『SUNRISE TO SUNSET』を観たばかりということもあり、少しだけPTPに想いを馳せてみます。
筆者はPTPの「Another day comes」という1曲に人生を変えられました。中学生の頃、『ULTRASEVEN X』(TBS系/『ウルトラセブン』誕生40周年記念作品)のテーマ曲になっていたこの曲を初めて聴いた衝撃は忘れられず、正真正銘、メタルやラウドロックの原体験となりました。今日に至るまでの自分のロック人生に、PTPは欠かせない存在です。
K自身が抱えていた内なる葛藤や苦痛、〈Kill〉と〈Save〉が混在してぐちゃぐちゃになっていく恐怖、それでも這い上がり生きていく意志として音楽があること……など、「Another day comes」こそ、悲痛なほどの弱さを爆音で吐き出すラウドロックの礎なんじゃないかと今も思います。そして、傷つきながらも人生を歩んできたThe BONEZの物語を示す1曲「For you」に、〈Another day comes〉というラインが受け継がれています。『SUNRISE TO SUNSET』で一度沈んだ太陽が、『SUNTOWN』となって再び多くの人々を照らしてみせたように、決して消えることのないKの意志も、The BONEZは背負って前に進んでいくのではないか。改めて、そう思いました。
突き進むことが何よりも難しいからこそ、そこにかけがえのない夢と物語が生まれる。『SUNTOWN』という奇跡を見せてくれた、The BONEZとBONERの絆を盛大に祝福するとともに、未来に向けて、自分もその証人のひとりになれたら幸せです。
※1、2:https://realsound.jp/2023/04/post-1307463.html
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