Dannie May、5周年ライブで辿る濃密な時間 これまでとこれからを示した集大成のステージ

Dannie May、5周年ライブを観て

 そしてライブは「If you イフユー」から再開。タリラの幻想的なボーカルが独特の雰囲気を描き出すと、そこからパワフルなリズムとともに「3分半の反撃」へと入っていく。強い意思の宿るこの曲にクアトロは瞬く間にひとつに。手を挙げながら歌うオーディエンスが、まさにDannie Mayの5年間を証明するような光景を作り出した。その後はまさにヒットパレード。タリラが曲名を叫んで「ぐーぐーぐー」を繰り出すと、さらに「ええじゃないか」を重ねてフロアは最高潮に。手拍子を叩き声を出し、ここにいる全員Dannie Mayの音楽を生み出していく。「KAMIKAZE」「OFFSIDE」……お客さん参加型の楽曲を立て続けに鳴らし、クアトロの熱気は天井なしに盛り上がっていった。

 そしてあっという間にライブはクライマックスへ。「お待たせ!」とマサが言って「カオカオ」を投下する。練り上げられたソングライティング、エレクトロスウィングのド派手で享楽的な響き、そして音域も譜割もスキルフルなボーカルワーク。「みんなのおかげでこの場所に立ててるんだ! その気持ちで最後まで歌っていくからついてこいよ!」。Yunoが叫んで、すでにブチ上がっているフロアをさらに熱くする。そしてその物語の締めくくりとして披露されたのが「コレクション」。「みんなが『人生で一番声出したな』っていうのが今日この日になったら素敵だと思いません?」というマサの言葉から、美しい合唱がクアトロ中に広がった。

 Dannie Mayのディスコグラフィの中でも、この曲は屈指のグッドメロディだ。そのグッドメロディが場内の空気をカラフルに染め上げていく。「必ずZeppに連れていくからな!」。Yunoが改めて宣言をする。その燃える思いが楽曲に乗って迫ってくるようで、胸が熱くなった。その光景を見てマサも思わず「すごかったね」と声を漏らす。「僕は音楽って魔法だと思うんです。その魔法をどんどん広げていければいいなと思っています」。そう言って本編最後の曲として「ユウヤケ」を歌い始める。アコースティックギターの音色が染み入るように鳴り響いた。

 その後アンコールでは「めいびー」に続いてDannie May始まりの曲「今夜、月のうらがらで」を披露。そしてラストに「御蘇 -gosu-」の優しいグルーヴを届けると、5周年ワンマンは大団円。この日は彼らにとって初となる3大都市ワンマンツアー『フライド・エッグ・バケーション』の開催も発表された。いつかZeppのステージに立つその日まで、Dannie Mayの挑戦はまだまだ続いていく。

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