SHINee TAEMIN、日本武道館ソロコンサート 360度回転ステージで表現した唯一無二の芸術

SHINee TAEMIN 武道館ソロコンレポ

 音楽を奏でる人をアーティストというが、『TAEMIN SOLO CONCERT : METAMORPH in Japan』においては、TAEMINという存在そのものが「アート」だった。これはエンターテインメントを超えた、芸術だ。そんな素晴らしいライブを見せてくれた。本稿では、3月9日の日本武道館公演の模様をレポートする。

TEAMIN(写真=田中聖太郎)
TEAMIN(写真=田中聖太郎)

 ほんの2週間前にはSHINeeのメンバーとして『SHINee WORLD VI [PERFECT ILLUMINATION] JAPAN FINAL LIVE in TOKYO DOME』で東京ドームのステージに立ったばかり。さらにいえば、この2週間の間にSHINeeのアジアツアーでシンガポールでも公演を行った。そこからの日本でのソロコンサートだ。

 『TAEMIN SOLO CONCERT : METAMORPH』は、昨年12月16、17日に韓国で行われたコンサートの日本公演。「METAMORPH」は、ドイツ語で成長、進化を内包した変態という意味を持つが、360度回転するステージセットで回転したり、逆さ吊りになったたまま歌ったり、滑り台になるくらいの角度に傾いたステージで踊ったりと、これまで見たことのないような演出を用いた芸術的なステージを見せた。

 2019年の日本ソロコンサート『TAEMIN 2ND CONCERT [T1001101] in JAPAN』では、17公演で15万人を動員しているTAEMIN。しかし今回は、日本武道館での3公演のみとあり、チケットは争奪戦。日本武道館は、2017年に日韓通しての初ソロコンサート『TAEMIN THE 1st STAGE 日本武道館』を開催した思い出の場所ということもあり、TAEMINは再始動にふさわしい場所としてここを選んだのだろう。

(写真=河村美貴)

 オープニング。大型ビジョンが扉のように開くと、全身黒の衣装でキャップをかぶったTAEMINが宙に浮いたステージから登場。TAEMIN流のヒップホップ「The Rizzness」を歌っている間、ステージはゆっくりと180度回転し、逆さ吊りの状態になり、また元の水平に戻ったが、この状態でも一切ブレることなく歌い続ける姿に、観客は息をのむ。大きなファンコールが響いた「Advice」で上着を脱ぐと、「Black Rose」ではウエストが露出された衣装で柔らかなウェーブをしたが、その動きに合わせてしなる腹筋の美しさが際立った。「もっと盛り上がって!」とファンを奮い立たせて始まった「Criminal」では、縛られた両手首の紐を口で外すという妖しさあふれる色気を見せたかと思えば、激しいダンスブレイクで鍛え上げられた分厚い胸板をさらけ出しセクシーさを爆発させた。

(写真=田中聖太郎)

 「Heaven」、「Strings」では斜めになったステージに映像が映し出された幻想的なムードの中、そこを滑り降りたり登ったり寝転がったりと傾斜を活かしたパフォーマンスで魅了。しかしTAEMINがすごいのは、トリッキーなパフォーマンスだけでなく、バラード曲「Not Over You」などで、ボーカリストとしてのスキルの高さもしっかりと見せてくれるところだ。

 MCを挟んで「She Loves Me, She Loves Me Not」、「Light」と観客をリズムに慣らしていくと、前半のクライマックスに突入。日本語バージョンで披露した「Famous」を皮切りに、「WANT」、「Danger」とTAEMINの代表曲といえるダンス曲を続けたが、「Danger」では斜めになったステージで銃の動きを模した激しいダンスブレイクで会場を沸かせ、芸術作品のようなスタートから、そのパフォーマンスをエンターテインメントに昇華させた。

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