「SHINeeはいつでも皆さんの側に」 5年ぶり日本アリーナツアーに感じたキャリアの偉大さ

SHINee代々木体育館公演レポ

 デビュー15周年を迎えたSHINeeが11月28日、約5年ぶりとなる日本アリーナツアー『SHINee WORLD VI [PERFECT ILLUMINATION]』の東京公演を国立代々木競技場第一体育館で開催した。

 ONEW(オンユ)が休養中ということもあり、今回の公演はKEY(キー)、MINHO(ミンホ)、TAEMIN(テミン)の3人でパフォーマンスが行われた。そのステージは冒頭から圧倒されるクオリティで、彼らが2008年から築いてきたキャリアの偉大さと、ファンへの大きな愛と感謝の気持ちを感じられる約2時間となった。本稿では、その様子をレポートする。

 鳴り響いていたBGMが終わり、薄暗くなった会場から「Runaway」の特別編集バージョンが流れ始めると、今日の公演に駆けつけたファンの持つペンライトがパールアクアグリーンの波を作り出していく。そして突如、メインスクリーンがザワザワと砂嵐のような画面となって不穏な動きを見せ、会場が真っ暗に。

SHINee

 舞台が再び明るくなったかと思うと、SHINeeの3人がメインステージに登場し、会場には大きな歓声が沸き起こる。「東京久しぶり!」「Are you ready?」のかけ声で「Chemistry」のパフォーマンスがスタートすると、UFOのような見た目をした舞台装置に乗って、KEY、MINHO、TAEMINの3人が観客の頭上へ移動し、クリアに伸びる歌声を響き渡らせる。それまで真っ暗で静かだった会場を一気にSHINeeらしい雰囲気へと塗り替えていく姿は圧巻で、さすが15年のキャリアを持つアーティストだと思わずうなってしまうようなコンサートの始まりだった。

 続いて、マイクスタンドを持ったメンバーが「Dream Girl (Japanese ver.)」を披露すると、会場からはメンバーの歌声に合わせて大きな掛け声が。そのまま休むことなく、バックダンサーを従えて「Heart Attack」をパフォーマンス。「Like It」では冒頭で日本のファンとの再会を喜ぶかのようにメンバーが会場に手を振る姿も見られたほか、各メンバーの見せ場ではおよそ1万人の観客から感激の声があがり、ファンを大いに魅了した。その後、「Atlantis」をパフォーマンスしてMCへ。

 「こんばんは、SHINeeです!」と全員で挨拶すると、TAEMINは「皆さん会いたかったですか?」「今日1日よろしくお願いします!」と笑顔でコメント。MINHOは「東京、久しぶりですね。皆さん、最後まで応援よろしくお願いします!」と挨拶し、KEYは「代々木、お久しぶりです! 皆さんテンションどうですか? 最後まで大丈夫ですか?」と会場に問いかけ、客席からは大きな歓声が沸き起こった。

 KEYによれば、代々木でコンサートを開くのは2017年以来、実に6年ぶりだという。メンバーは当時20代後半だったことから、今日までの時間の経過に少し想いを馳せる場面も見られた。

 そして、オープニングで使用したUFOのような乗り物に言及。KEYは「上から見る景色がすごい」「(UFOのような乗り物のセットに)カメラがついているので、たぶんその景色をどこかで見せることができると思う。楽しみにしていてください」と語った。

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 また、TAEMINがコンサートのコンセプトを紹介。「みんなと一緒につくるステージです」「みなさんの目線、香り、その姿かたち、その存在だけでこのステージは完成できる。そういうコンサートです」と今回のツアーの趣旨を説明すると、KEYとMINHOは「おおー」と声を漏らし、TAEMINの簡潔で分かりやすいトークに感心した様子。会場からも拍手が沸き起こり、終始和やかな雰囲気で約5分間のトークを繰り広げた。

 MC後は、「Sweet Misery」「CØDE」を続けて披露すると、中央ステージに置かれた椅子を使って「데리러 가 (Good Evening)」をパフォーマンス。

SHINee

 ダンサーによる幕間の演出を挟んで、ストリート風の衣装に着替えたメンバーがステージに再登場し、「Don’t Call Me (Japanese Ver.)」のパフォーマンスへ。噴き出す炎の演出とともに、獣のような眼差しを会場に向けるメンバーの姿は非常にクール。「Body Rhythm」ではメインステージから中央ステージにメンバーが移動すると、会場から大歓声が。さらに各メンバーが鋭い表情を見せたり、鍛え抜かれた腹筋がチラリと見えたりした際にも、空気が震えるような大歓声が沸き起こっていった。そして、駆け抜けるように「JUICE」をパフォーマンス。ここまでポジティブな雰囲気の曲が続いていただけに、大きく異なる曲調の楽曲で構成されたコンサート中盤は、メンバーのまた違った一面に酔いしれることのできた時間となった。

 その後、座り込んでいるKEYとTAEMINを横目に、MINHOが「SHINee大丈夫?」と尋ねてMCがスタート。先ほどのパフォーマンスで少し息の上がった様子のTAEMINが、「やっぱりこの激しいパフォーマンスはコンサートでしか見られないじゃないですか。みなさん、おめでとうございます!」とコメントして会場を沸かせる。

 KEYは「9月から始まったツアーも明日で最後になりますが」と話し始めると、2024年2月24日、25日に開催を控えている東京ドーム公演に言及。「2月に皆さんに会えると思うので、そのときまでちょっとだけ待ってください」「新しい姿をお見せできるように準備するので」と、来年のコンサートへの期待を煽るコメントを披露した。

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