トンボコープ、信じた道の先で見つけた最高の景色 初の東名阪ツアー最終公演レポ

トンボコープ、初東名阪ツアーを観て

 続けて林龍之介(Dr)が力強くリズムを刻み、雪村が「喜怒哀楽」のシンガロングパートを歌い出す。とくにメンバーが煽ったわけではないが、すぐにフロアからも歌声が響きわたった。「やっぱりツアーファイナルに来てるお客さんは違うわ」と嬉しそうに笑う雪村。続いて演奏された曲はもちろん、「喜怒哀楽」だ。音源としては2月21日に配信リリースされたばかりだが、以前からライブで披露されてきた曲なだけあり、観客も盛り上がり方をしっかり理解している様子。雪村もハンドマイクでステージ前面に歩み出て、フロアへマイクを向けながら、一体感のあるステージを繰り広げた。

トンボコープ

 「サンポリズム」を軽快に届けた後は、ツアータイトルが“METAMORPHOSE”=変身ということで、「相応しい曲持ってきました!」と新曲の「明日の一面」を披露した。ここまでのポップな雰囲気とは異なる、バンドの攻撃的な一面も感じさせる楽曲に、演奏後はでかそも「かっこいいでしょ?」と一言。

トンボコープ

「俺は高校生のときに1人で音楽を始めたんですけど。当時は自分に自信がなくて、『カッコつけてる』とか言われるのが怖くて、SNSには(弾き語り動画などを)あげなかったんですよ……。『音楽なめんな』みたいなこと、実際に言われたことあるし」

 そう過去を振り返りながら、雪村は「でも絶対諦めたくなかったから、自分を信じて音楽を続けてきました」と語る。

「今は胸張って、最高のお客さんと、渋谷CLUB QUATTROで最高の音楽をしてるよって言える自信があります」

「あなたも自分の大事にしているものとか人とかを、誰にどう言われても大事にしてほしいし、俺はその背中を音楽で押したいと思っています。怖いものに怯えているあなたよりも、自分曲げずに意地張って頑張っているあなたの姿が大好きです!」

トンボコープ

 そんな真っ直ぐな言葉の後に届けられたのは「風の噂」。軽快ながらも、優しく包み込むようなサウンドが会場に響きわたる。続けて「今日までの失敗、10年後にあなたが笑えているようにという想いをこめて」と、「夢の10年後」をラストに届けた4人。

〈ああがむしゃらに/ただ在るままに/生きてみよう〉

 雪村の言葉と4人のあたたかい演奏は、観客に“自分を信じて生きていく”ことへのエールを送ってくれているようだった。

トンボコープ

 アンコールでは、まだSNSにも投稿していないという新曲「PARADIGM」を披露。同曲は4月3日にリリースされる2ndミニアルバム『ファースト・クライ・ベイビー』の収録曲となっている。さらに、4月13日には恵比寿LIQUIDROOMにて『トンボコープ 1st ONEMAN LIVE「BUTTERFLY EFFECT」』も開催するトンボコープ。自分を信じて前に進んできた4人が、初のワンマンライブでどんなステージを見せてくれるのだろうか。

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