&TEAM、世界に証明するための物語はここから始まる 初のコンサートツアーで伝えた感謝と決意
BTSを擁するHYBE傘下のHYBE LABELS JAPANが世界に向けて送り出したグローバルグループ &TEAMが、初のコンサートツアー『2024 &TEAM CONCERT TOUR 'FIRST PAW PRINT'』を韓国・ソウルを含む8都市23カ所で開催し、3月7日にファイナルを迎えた。さまざまな物語を経て結成された彼らのデビューからの一年を総括するようなエモーショナルかつ楽しさ溢れた本ツアーの2月8日、神奈川・パシフィコ横浜 国立大ホールでの昼公演の模様をレポートする。
&TEAMは、K-POPボーイグループのなかでデビューから史上最速での東京ドーム公演を実現した7人組グローバルグループ ENHYPENを輩出した超大型プロジェクト『I-LAND』出身のEJ、K、NICHOLAS、TAKIと、日本で開催されたオーディション番組『&AUDITION - The Howling -』で選抜されたFUMA、YUMA、JO、HARUA、MAKIによって結成された9人組グループで、2022年12月7日にDebut EP『First Howling : ME』デビュー。昨年ファンミーティングツアーを行ったが、コンサートツアーは今回が初となる。
オープニングムービーから、すでに涙もの。&TEAMというグループのコンセプトのひとつに狼がある。MVに俳優の坂口健太郎が出演したことも話題になった&TEAMのDebut EPタイトル曲「Under the skin」のMVには、&TEAMとコラボレーションしたHYBEオリジナルストーリー『黒の月: 灰色の都市』を連想させる物語が刻まれているが、今回のツアーのために撮り下ろされたVCRは、この狼少年たちの物語の最新バージョンともいえる映像で構成されており、ファンを楽しませてくれた。「これは僕たちのはじめての共鳴――」という冒頭の映像から9人が登場し始まった1曲目は、記念すべきDebut EPタイトル曲「Under the skin」。このツアーのためにダンスブレイクが追加されたニューバージョンでのパフォーマンスというのも熱い。
ツアータイトル『FIRST PAW PRINT』を、JOは「同じ意思を持つ君と僕が出会って僕たちとなり、一緒に作り上げていく旅路、その一歩を意味します」と説明。「Under the skin」のダンスブレイクを、Kは「“僕たち”になっていく過程を表現した」と言う。また、EJ、K、NICHOLAS、TAKIのユニット曲「W.O.L.F. (Win Or Lose Fight)」が、このツアーで9人バージョンになったのも“僕たちになる”という彼らの物語による進化なのだろう。前半戦を『&AUDITION』のシグナルソング「The Final Countdown (&TEAM ver.)」が締めたところまで、彼らの誕生を見守ってきたファンへの感謝で溢れた構成だった。
5曲目の「Blind Love」は、坂口健太郎主演ドラマ『Dr.チョコレート』(日本テレビ系)の主題歌に書き下ろされたバラードナンバー。ボーカルをとっているメンバーの手書きの歌詞がモニターに映し出される演出が秀逸だった。その後は、かわいくて楽しいセクションに。「バズ恋 (BUZZ LOVE)」では、パネルを動かし車などさまざまなセットを作り出すという面白い構成を見せ、「規格外 (ALIEN)」では会場のファンと一緒に練習をした振付で一体に。「チンチャおかしい」では、会場のなかからダンスが目立ったファンを選び、ステージ上の&TEAMメンバーたちと一緒に踊るというチャレンジコーナーも行われた。
会場ごとに&TEAMが「LUNÉ(ファンの呼称)!」、LUNÉが「&TEAM!」とお互いの名前を呼んだ後、一緒に叫んで一体感を高めるコール&レスポンスが行われたのだが、この公演では「LUNÉと&TEAMはFOREVER!」に決定。このコールで始まったアップテンポの「FIREWORK」では、勢いに乗って曲中のファンコールもひと際大きくなり、「Running with the pack(&TEAM ver.)」と「Scent of you」のあいだには、TAKI、K、YUMAがダンスパフォーマンスを披露して歓声を集めたが、「Scent of you」でNICHOLASが歌詞を〈愛してる〉に替えた時の会場の絶叫もすごかった。そして、本編最後は重低音が響く「War Cry」で9人の動きが完璧に揃った圧巻の群舞と、狼の群れのように見える“Wolf Packダンス”で会場をひとつにまとめあげた。
アンコールの「Dropkick」では、LUNÉが「今ここにいること、世界へ叫んで証明しよう」というスローガンを掲げるサプライズイベントも発生。アンコール最後の再びの「規格外 (ALIEN)」は、メンバーが客席へ降りて歌うというファンへのサプライズで楽しい公演のフィナーレを迎えた。