L'Arc-en-Ciel、多方面で発揮される4人の才能 ソロ、新バンド…型にはまらない活動の軌跡

 リーダーのtetsuya(Ba)と言えば、昨年、音楽シーンにおいても、いろいろな意味で注目を集めた「メンバー本人がいるL'Arc-en-Cielのコピーバンド」であるLike~an~Angelが、コピーバンドとして史上初の日比谷野外大音楽堂でライブを開催したことが、記憶に新しい。TETSUYA(ソロ活動の現状名義)がソロ活動をスタートさせたのは2001年。2ndシングル『蜃気楼』は、12cmシングルが主体になっている中で“8cmCD+Tシャツ”という形態で発売され話題となった。以降、コンスタントに作品をリリースし、ソロで幾度も全国ツアーを開催している。また、コロナ禍中は、配信ライブを再放送も含めて積極的に行うなど、その時々の時世の流れを冷静に読み、フレキシブルにアクションし、アイデアを具現化していくスタンスに、いつも驚かされてばかりだ。

TETSU69「蜃気楼」

 次にyukihiro(Dr)に触れたいと思うが、L'Arc-en-Cielに加入した以降のソロ活動に絞る。彼は2000年に発売されたL'Arc-en-Ciel唯一のリミックスアルバム『ectomorphed works』をトラックダウンまで手掛けている。2001年にソロプロジェクトとしてACID ANDROID (現在の表記)を始動。現在までコンスタントに作品をリリースし、単独ライブをしていることに加え、オーガナイズイベント『acid android in an alcove』を定期的に開催している。2021年には京(DIR EN GREY)がメインとなり結成したバンド Petit Brabanconにドラマーとして参加。また2012年に結成した3ピースバンド geek sleep sheepは、2023年11月24日に開催されたイベント『slice of alcove』で、約6年ぶりにステージに立った。同イベントでは最後にyukihiroがDJとしても登場。自身のルーツをアナログレコードでスピンした。どのバンドも、どのイベントも、yukihiroの音楽に対する探求心を体現したものだ。列挙した3つの名義で、それぞれ音楽性が異なるのもyukihiroらしい。

acid android - violent parade (official video)
geek sleep sheep - hitsuji

 そんな才能たちが集ったL'Arc-en-Cielは、1990年代、2000年代、2010年代と3つのディケイドにわたり、チャート1位を獲得している日本屈指のモンスターバンドである。しかも必ず、以前の自分たちを超えてくる。ほんの一例を挙げれば、ライブの出音がそうだ。ドームクラスの会場でも、まるでレコーディングスタジオかと思うほど、一音一音がくっきりわかるサウンドを出してくる。毎回、ドームクラスでL'Arc-en-Cielのライブを観た後には「これ以上のいい音はもうないだろ」と思うのだが、彼らは次のライブでそこを軽く超えてくるのだ。

 間もなくスタートする『ARENA TOUR 2024 UNDERGROUND』で、L'Arc-en-Cielはどんな“ラルク超え”をしてくるのだろう。久々に演奏される楽曲群が、どうアップデートされているのか楽しみだ。

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