FAKE TYPE.が『FAKE SWING 2』で広げた音楽性 DEMONDICE、缶缶ら迎えたツアーファイナル

 「我々がやってる音楽のジャンルは、エレクトロ・スウィング。日本でこんだけ精力的にやってる人たちはいないと思います。しかもそこでラップするんだよ?」とあらためて自らの音楽性をアピールした後、ライブは終盤へ。ケルティックな音像と不法滞在を題材にしたシリアスなリリックがひとつになった「ヨソモノ」、そして「最後はピースな感じ、ハッピーな感じで」(TOPHAMHAT-KYO)という言葉に導かれた「マンネリウィークエンド feat.花譜」。心地好いグルーヴと〈適当に踊りたい/まだまだ踊りたい〉というラインが響き、本編は終了した。

 アンコールを求める声に導かれ、再びメンバーがステージに登場。サイン入りのタオルをフロアに投げ込み、ファンとの距離をさらに縮めていく。さらに「FAKE LAND」「Yummy Yummy Yummy」とアンセムを続けて放ち、会場のテンションはピークに達した。ラストは「Nightmare Parade 2020s」。海外の“ケモナー”(“ケモノ”キャラクターを好む人たち)のあいだでダンスをするのがミームになったこの曲は、前身の曲である「Nightmare Parade」としてもFAKE TYPE.の代表曲のひとつ。揃いの振り付け、DYES IWASAKIのスキャットによってフロア全体に圧倒的な多幸感が広がった。

 ライブ終了後、出演者全員で挨拶。「ツアーを始める前は不安もあったりするけど、こうやって会場に来てくれるみんなが温かい反応をしてくれるからこそ、楽しいライブができています。今後もみなさんと一緒に楽しめるライブを作っていけたらと思っているので、これからもよろしくお願いします!」(TOPHAMHAT-KYO)、「みんなが“いいね”してくれたり、拡散してくれて、いろんな人に聴いてもらえて。まだまだFAKE TYPE.は大きな規模を目指してがんばっていこうと思っているので、これからも応援よろしくお願いします」(DYES IWASAKI)というコメントからも、大きな充実感が伝わってきた。

 結成10周年を迎え、キャリア最大規模のツアーを成功に導いたFAKE TYPE.。エレクトロ・スウィングという軸をしっかりと持ちながら、彼らのエンターテインメントはさらに広がっていくはず。そのことを強く確信させられる素晴らしいライブだった。

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