TOMOO、星の光にも似た“届いている”実感 特別編成での『TWO MOON』ツアーファイナル

TOMOO『TWO MOON』ツアーファイナルレポ

TOMOOライブ写真(撮影=Kana Tarumi)

 「そろそろ後半戦なんですけど、もう一回盛り上がる準備はできていますか?」とTOMOO。「今日は火曜日なんですけどね」と言いつつ「Friday」を披露し、「オセロ」へとなだれ込む。「みんな、これ(タオル)持ってる? よかったら一緒に回しませんか?」と言い、「POP'N ROLL MUSIC」のサビで一斉にタオルを回して再び会場は一つになった。

「これまで10年くらい活動をしてきたけど、私が届けたいことを、今が一番、受け取ってもらえているなという実感が日々あるし、それが増しているんですよね。『受け取ってもらえている』というのは星の光とかと一緒で。受け取ってもらえて初めてそこにあることがわかるし、自分がここにあることも、自分や自分の音楽が、どんなものかもわかるんだな、ということを改めて思っています」

 アルバム『TWO MOON』をリリースした手応えについて、改めてそう話すTOMOO。「こじつけじゃないけど、月は自ら発光している天体ではないじゃないですか。太陽からもらった光を反射して光っているわけですよね。同じように、私と皆さんも光を受け取り合うし、光で照らし合っているんだなと。私はこれからも、ふと耳にした時、音の向こうに『人がいるな』と思ってもらえるような楽曲を作り続けていきたいと思っています」。

TOMOOライブ写真(撮影=Kana Tarumi)

 改めてそう決意表明した後、「夜明けの君へ」と「Super Ball」を続けて演奏し本編は終了。アンコールでは「スーパースター」と、TOMOOの存在を一気に知らしめるきっかけとなった名曲「Ginger」を歌い、さらに2月14日にリリース予定の新曲「Present」を初披露し、この日のライブを締めくくった。

TOMOO - Super Ball (Live from “TWO MOON” , 2024)

 筆者がTOMOOのライブを初めて見たのは、2022年2月の『TOMOO one-man live "YOU YOU"』だった。当時から彼女の作り出す楽曲の素晴らしさには注目していたが、それを表現するためのボーカルパフォーマンス、彼女を支えるバンドのアレンジ力や演奏力は、そこからライブを重ねるたびに進化を繰り返してきた。今日のステージは、もはや「次なるフェーズ」といっても過言ではないクオリティに達していた。おそらくそれは、「Super Ball」や「Grapefruit Moon」のプロデュースを手がけた象眠舎の小西遼が、本公演のサウンドプロデュースを務めていることも大きいのだろう。

 今年6月には、ライブハウスを回るツアー『TOMOO LIVE HOUSE TOUR 2024』も控えているというTOMOO。さらなる飛躍を見せることは間違いない。

TOMOOライブ写真(撮影=Kana Tarumi)

■セットリスト
1.夢はさめても
2.恋する10秒
3.HONEY BOY
4.酔ひもせす
5.17
6.Grapefruit Moon
7.Mellow
8.雨粒をつけたまま(日替わり弾き語り曲)
9.What's Up?(日替わり弾き語り曲)
10.窓
11.レモン
12.ベーコンエピ
13.Cinderella
14.Friday
15.オセロ
16.POP'N ROLL MUSIC
17.夜明けの君へ
18.Super Ball
19.スーパースター
20.Ginger
21.Present(新曲)

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