yasu、ボーカルとしての凄さと稀有な声 Janne Da Arc解散から5年目の春に向けて

 ではそのポップさはどこからきたのか――。その片鱗を特に感じられるのが、Acid Black Cherryでのカバーアルバム『Recreation』シリーズだ。歌謡曲、アイドルポップ、ロック、バラード……さまざまなジャンルの名曲、それも今現在までJ-POPの歴史に連なる名曲揃いなのである。yasuのボーカリストとしての実力は言うまでもない。特筆すべきは、名曲に新しい表情を添えつつも原曲へのリスペクトが感じられる、その表現力だ。ジャンルレスに“音楽”というシンプルな対象に対して、多くの愛情とリスペクトを注いできた結果、それが彼の血肉となり、究極のポップさを持った音楽が編み出されているように思える。

Acid Black Cherry /「未来予想図Ⅱ」PV
Acid Black Cherry /「1/3の純情な感情」PV 1/3 ver.

 yasuの作り出してきた音楽や歌声をあらためて追ってみると、広範囲におよぶジャンルの音楽が、さまざまな方法で表現されているのがわかる。

 ふと、ファンの知人が以前「yasuの作る音楽は予測がつかない。次にどんな曲がくるのかわからない」と言っていたことを思い出す。もちろん今は祈ることしかできないのだが、いつの日かyasuという才能からまた新しい音楽が生み出され、私たちのもとへ届けられることを願わずにはいられないのである。

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