スキマスイッチ、『おっさんずラブ』を彩る王道ラブソングに賞賛の嵐 20年間支持されるポップセンス
1月5日からスタートしたテレビ朝日金曜ナイトドラマ『おっさんずラブ-リターンズ-』(テレビ朝日系)。本ドラマは、主演の田中圭や、林遣都、吉田鋼太郎といった主要キャストやスタッフ陣が再集結し、2019年に公開された『劇場版 おっさんずラブ ~LOVE or DEAD~』のその後を描くという、ファン待望の続編だ。主題歌も、2018年放送の連続ドラマと前述の劇場版に引き続き、スキマスイッチが担当。新曲「Lovin’ Song」の配信が、ドラマ放送翌日からスタートしている(CDは2月21日に発売)。
「Lovin’ Song」の話題へ行く前に、デビュー20周年を迎えて様々な企画を行なっているスキマスイッチの近況に触れておきたい。昨年7月には3枚組ベストアルバム『POPMAN’S WORLD -Second-』をリリースし、同作を掲げたホールツアー『POPMAN’S WORLD 2023』と、それをよりパワーアップさせたライブ『POPMAN’S WORLD 2023 “Premium”』を大阪城ホールと日本武道館にて開催した。彼らは2021年から3年連続で日本武道館公演を行なっているが、2023年公演はこれまで開催してきた中でも最速でチケットがソールドアウトしたとのこと。万人に愛される親しみやすさと、細部まで徹底的に突き詰められたマニアックなこだわりや遊び心を併せ持ったスキマスイッチの音楽は、いまもなお多くの人達の心に寄り添い、震わせ続けている。
音楽家としての矜持を持ちながら、マスと向き合い、自分達のポップミュージックを生み出し続ける2人のスタンスは、藤原聡(Official髭男dism)やAyase(YOASOBI)、Uruら多くのアーティストに影響を与え、支持されているのは周知の事実だ。昨年12月に放送された『FNS歌謡祭』での花村想太・大野雄大(Da-iCE)、はっとり(マカロニえんぴつ)、上白石萌音、竹内涼真とのコラボメドレーも記憶に新しい。また、スキマスイッチは、今年7月13日、14日に、彼らの地元である愛知県にて初の主催フェス『スキマフェス』を開催することになっているが、第1弾アーティストとして、初日には小田和正、SUPER BEAVER、JUJU、マキシマム ザ ホルモン、2日目にはいきものがかり、奥田民生、東京スカパラダイスオーケストラの出演が発表されている。世代もジャンルも飛び越えた豪華メンバーが集結しているところからも、彼らの音楽であり、それと向き合う姿勢がいかに愛されているかが伝わってくる。さらに、今春には初のトリビュートアルバムがリリースされることも決定しており、どちらも続報が待たれるところだ。
そんな様々な楽しみが控えている中で発表されたのが、『おっさんずラブ-リターンズ-』の主題歌である「Lovin’ Song」だ。同曲は、丁寧に紡がれるアンサンブルの上で、〈ハーモニー〉や〈五線紙〉など、音楽にまつわる言葉を散りばめながら、サビでは〈ありったけの愛の言葉を僕はもう抑えきれない!〉と、感情を爆発させるラブバラード。以前彼らが『おっさんずラブ』に提供した「Revival」のセンチメンタルな世界観とは真逆といっていいほど、幸福で、温かな空気に包み込まれる楽曲だ。タイトルを“Love Song”ではなく、“Lovin'(=Loving) Song”にしているところからも、いままさにこの瞬間、愛おしさがはち切れんばかりに膨れ上がっている様子が伝わってくる。