MUCC YUKKE×NIGHTMARE 咲人初対談 お互いへの印象や『悪夢69』で受けた刺激を明かす

MUCC YUKKE×NIGHTMARE 咲人対談

過去を振り返ることで、結果的に未来を見据えることに

MUCC
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――本気度は充分に伝わってきました。MUCCは、2022年から約1年半にわたる25周年イヤーを展開中で、12月28日には集大成としてアルバム『Timeless』をリリースされます。

YUKKE:MUCCは、5年区切りの周年を大きくやっているバンドではあるんですけど、1年以上掛けたのは初めてのことで。ツアーを4本開催して過去のアルバム8枚分を振り返った再現ツアーをしていたので、リハーサルをしてはツアー、リハーサル、ツアー……の繰り返しで。でも、過去を見ているだけの1年半では決してなくて、『悪夢69』のようなツーマンもやって、刺激をもらいながら活動できる期間だったと思います。

――過去の作品と向き合う中で、YUKKEさんは何を得たと思われますか?

YUKKE:すごく久しぶりに披露する曲でも、今だからこそ気づくその曲の良さがあったり、当時の自分では表現できなかったようなプレイができたり。それに、MUCCというバンド自体が新体制になって進んでいるわけで、今のメンバーで過去の作品を振り返るツアーをするということは、結果的に未来を見据えているってことなんですよね。

――NIGHTMAREも原点回帰をテーマにシングル『FAREWELL』をリリース。奇しくもMUCCの活動ベクトルと通じるタイミングを迎えていました。

咲人:例えば、10年前ぐらいに作っていた曲をもう一度聴くと、当時の力量では再現できなかったことや、「本当はこうしたかったのに」みたいなことが絶対に出てくると思うんです。昔と同じことをやっても仕方ないんですけど、原点回帰的な気持ちを持った上で新しい曲を作ったらどうなるか? という思考に今年、結構なっていたんですね。デビューから20年ぐらい経つと、アーティストは前へ進むために1回後ろを振り返る、みたいな気持ちになるのかもしれない。そういう気持ちもすごく分かります。

――『Timeless』には、再現ツアーで向き合った過去曲のセルフカバーも収録。ユニークな成り立ちの作品ですが、手応えはいかがですか?

YUKKE:コロナ禍以降を集約できたアルバムだと思っています。とは言っても、完全なオリジナルアルバムとも少し違って、初めて出す形態ではあるんですよね。入っているのは、『Timeless』 ツアーの会場限定シングル曲とそのカップリングと、ツアーで演奏して“化けた”曲たちや、印象的な曲を再録したもの、さらに「Timeless」という書き下ろしの曲も入っています。

MUCC 『Timeless』MUSIC VIDEO

咲人:新録と再録とが入り乱れているみたいな形ですか?

YUKKE:そうです。ツアー中の雰囲気そのものというか。

――咲人さんは『Timeless』をお聴きになって、どう感じましたか?

咲人:楽曲のまとまり感がすごいし、クオリティが高いのは相変わらずなんですけど、新たな方向性の曲もあったり、逆にすごく昔のMUCCを感じる曲もあったりして。自分はインスピレーションを受けるとすぐ曲を作りたくなるんですけど、アルバムを聴いていてそのモードになりました。「under the moonlight」と「想-so-」、「死の産声」が特に好きです。

YUKKE:創作意欲を刺激できたのは、バンドマンやミュージシャンの人に言われて、いちばんうれしいことかもしれないです。「死の産声」が好きということで、MUCCらしい曲と言ってくれたのも、「死の産声」なのかな? と思ったりして。

咲人:そうです、そうです! 自分が知った頃のMUCCの質感を感じて。それは意識されたんですか?

YUKKE:うん、そこを出したんだと思うんですよ。deadmanとツーマンする時に“産声”というテーマで俺が作った曲で。メンバーごとにいろんな角度から曲を書いたんですけど、俺は素直に、deadmanと対バンしていた当時のイメージを頭に入れながら作ったら、結果、ど真ん中の表現になったと思う。

――「under the moonlight」は80年代感がありますよね。

咲人:俺、80'sっぽいのが大好きなんですよ。だから自分のソロでも取り入れているんですけど、あの曲にはやられましたね。

――新曲「Timeless」はアルバムのシンボルとなる曲で、縁のあるアーティストたちがコーラス参加しているのも印象的です。

YUKKE:後輩のバンドマンたちにも協力してもらっています。音源の年代ごとに「200○年の、この再現ツアーに行きたいです」と言ってくれる後輩が結構いて、それもこのツアーの特徴だな、と。「あぁ、こうやって影響を与える立場になっているんだな」とすごく感じましたね。だから、その子たちがコーラス参加してくれるのにも意味を感じるし。コロナ禍で 1人1人考えることがすごくたくさんあった中で、大変なところを一緒に乗り越えてくれた、と思っていて。そういう個人個人に対しての感謝の気持ちも込めた曲で、アルバムになくてはならないピースだったのかな、という気はしています。

――NIGHTMAREの最新シングル『Rebel』は、どんな想いから生まれたのですか?

NIGHTMARE
NIGHTMARE

咲人:前回の『FAREWELL』というシングルがあって、その時に気持ちが昔に戻っていたからなのか、昔っぽいものを表現したいな、という気持ちにすごくなっていて。それもありつつ、自分たちがいい年になってきましたけど、大事にしたのは「ずっとあの時のままやんちゃなことをしている大人って、かわいいよね」みたいな感覚。“やんちゃ”を念頭に置いて曲を作っていました。2曲目の「Pierrot Le Fou」は完全に90年代のヴィジュアル系バンドの「こういう曲やってそうだよな」というイメージです。

NIGHTMARE 「Rebel」 MUSIC VIDEO

――YUKKEさんはシングルをお聴きになってどう思われましたか?

YUKKE:「Rebel」は、咲人くんから“やんちゃ”という言葉が出ましたけど、豪華で……ちょっと待ってください、メモしてきたので(とスマホを操作)。「豪華ですごくNIGHTMAREの王道も感じる。 NIGHTMARE流の歌謡曲も感じた」です。もちろんYOMIくんが歌ってNIGHTMAREなんですけど、例えば女性ボーカリストが歌ってもいいような曲調だと感じました。ライヴでお客さんもすごく楽しめそうですし。

咲人:そうですね。“やんちゃ”部分でみんな盛り上がってくれます。

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