日向坂46 四期生は手を取り合いながら坂道を駆け上がっていく 『新参者』を経て示した成長
日向坂46 四期生がグループに加入したのは、今から約1年3カ月前の2022年9月21日のことだ。日向坂46という個性が確立されたグループへの加入へのとまどいを本人たちが口にすることもあったが、四期生はお互いに手を取り合いながら前に進んできた。
加入からまもなくして清水理央がセンターを務める四期生楽曲「ブルーベリー&ラズベリー」で鮮烈なデビューを飾ると、『Happy Smile Tour 2022』最終2公演に参加、その後『ひなくり2022』では初めてアリーナの大きな会場に立つなど、目まぐるしいスピードで日向坂46としてのステージを重ねていった。そして、今年の2月には四期生単独イベント『おもてなし会』を幕張メッセ イベントホールにて開催。乃木坂46、櫻坂46を含めた坂道グループにおける登竜門的なイベントでもある『おもてなし会(お見立て会)』だが、これまでの流れで言うならば加入からほとんど間隔を置かずに開催することが通例だった。しかし、四期生はツアーと単独ライブを経験した上で挑むという本来の『おもてなし会』とは異なる意味合いのイベントを経験することとなった。
それから4月に横浜スタジアムにて開催された『4回目のひな誕祭』や8月からの『Happy Train Tour 2023』への参加、四期生の初地上波冠番組『日向坂アニメ部』(カンテレ)の放送、メディア出演をはじめとしたソロ活動など、四期生は多くの場数を踏みながら成長してきた。
だが、必ずしもその歩みは順調だったわけではない。『4回目のひな誕祭』では山下葉留花が怪我で欠席、竹内希来里が撮影中の事故により活動休止、体調不良による岸帆夏の活動休止など、12人の足並みはなかなか揃わなかった。そんな中で12月7日、岸から日向坂46の活動を辞退することが告げられた。誰もが予想していなかった事態に、おひさま(日向坂46ファンの呼称)からは大きな驚きの声が聞こえたが、同時に岸の体調を心配する声も多く寄せられた。印象的だったのは先輩や同期関係なく、メンバーがブログで岸への温かいメッセージを送っていたことだ。さらに『BRODY』2023年12月号(白夜書房)において、同期の正源司陽子は「岸くんは人の些細な変化に敏感で、メンバーに寄り添ってくれるんです。そんな行動ができるのは、岸くん自身が繊細だから。私だって何度も支えられました」、宮地すみれは「ほのちゃんはそこにいれば幸せになれるので、気負うことなく伸び伸び活動してほしいと思います」と岸の存在の大きさを語っていた。誰一人欠けてしまっては日向坂46ではない。そんなメンバーからの思いに胸が熱くなった。
公に岸の活動辞退が発表されたのは12月7日ではあるが、11月から始まった『新参者 LIVE at THEATER MILANO-Za』のパフォーマンスは当時休養中だった岸への思いが詰まった全10公演となっていたように思う。活動から約1年を経て行われた同公演で四期生が示したのはメンバーの「絆」と日向坂46の継承である。これまで先輩たちが経験してこなかったステージであるだけに、模範が存在せず、全てが四期生にとって挑戦的なものとなる。