MAMAMOO ムンビョルからNiziU RIMA、XGまで K-POP周辺ガールズグループは有能なラッパーの宝庫
何よりもアイドルらしさを重視するガールズグループであっても決してあなどってはいけない。最近登場したグループではオーディション番組『QUEENDOM PUZZLE』から誕生したEL7Z UPが見逃せない。有名グループの元・現メンバーで構成されているだけあって、歌と踊りは安定感があって華もある。ラップを担当するYEEUN(イェウン)は清潔感のあるキレのいいフロウが得意だが、彼女は以前在籍していたCLCの一連のヒット曲、そしてEL7Z UPに参加する直前に発表したソロデビュー曲「Cherry Coke」(2023年)などで実力は以前から広く知れ渡っていた。
アイドルのライミングで今年最も気になったのが、YOUNG POSSEである。まだまだこれからの新人ではあるものの、メロディアスなフレーズを入れずにミニマルなビートと個性的なフロウで最後まで押し通すデビュー曲「MACARONI CHEESE」のインパクトの大きさは相当なもの。ここでの力の抜けたボーカルをはじめ、リリックやリズム感覚は、K-POPガールズグループのラップスタイルが次のステージに進んだことを宣言しているようだ。
K-POPの美学を継承した日本発のガールズグループもヒップホップ的な視点で再評価すべき時期にきていると言えよう。個人的に真っ先にスポットライトが当たってほしいと願うのは、NiziUのラップ担当・RIMA(リマ)。韓国デビューシングルのリードトラック「HEARTRIS」における彼女のナチュラルなフロウはオンリーワンの輝きを放つ。
先日開催した初の有観客単独ライブでポテンシャルの高さを示したXGも、ラップのテクニックは他と比較できないほどに素晴らしい。Aメロ・Bメロ・サビといった従来のパターンを意識せずに、時にメロディアスに時に自由奔放に言葉を連射する彼女たちは、もはやどのジャンルにも属さない孤高の存在になった気がする。
他にもOH MY GIRLのMIMI(ミミ)、宇宙少女のEXY(エクシ)、BilllieのMOON SUA(ムン・スア)など、K-POP関連のガールズグループは“有能なラッパーの宝庫”だと言っても過言ではない。ラップパートを中心にこうした人気グループのサウンドを聴き直すと、新たな魅力を発見できる可能性は十分にある。リスナーもいつもとは違った角度で聴いてみてほしい。
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