NUMBER GIRL×ZAZEN BOYS、Galileo Galilei×BBHF……同一メンバーならではの意義深い対バン

 2024年3月、Galileo GalileiとBBHFの対バンツアー『Tsunagari Daisuki Club “Galileo Galilei×BBHF”』が開催予定だ。この2組はともに尾崎雄貴がソングライターを務め、メンバーもほぼ共通しているバンド同士である。このように同一メンバーを含むバンドによる対バンは意外にも多く開催されている。本稿ではそんな共演を果たすバンドの特徴を紐解いていきたい。

 まずはGalileo Galilei(以下、ガリレオ)とBBHF。2016年に活動終了したガリレオのメンバーをそのまま引き継ぐ形で始動したBBHF(始動当初はBird Bear Hare and Fish)だが、2022年にガリレオが再始動して以降も精力的に活動しており、同じメンバーが並行して2バンドを動かしている状態だ。尾崎雄貴はガリレオの再始動にあたって、「Galileo Galileiという世界の中は“外の世界よりもきっと素敵だから、みんなも入っておいでよ”という気持ちでいる」「BBHFは、外の世界で個として音楽を奏で、それを個としてそこにいる人たちに届けているような感じ」(※1)と明確に違いを述べている。

Galileo Galilei 「あえたね」Music Video

 ガリレオはギターロックを出自としながら、次第にエレクトロポップやインディーロックなども昇華し、ドリーミーで寓話的な世界観を展開した。そしてBBHFではその経験値を基に世界水準のスケール感溢れるロックサウンドを鳴らす。来春の対バンツアーでは彼らの歩んできた歴史やその表現の豊かさを強く実感できるはずだ。

BBHF『愛を感じればいい』Music Video

 歴史の延長上にあるバンド同士の共演という意味では、2023年5月8日に開催されたTHE SPELLBOUNDとBOOM BOOM SATELLITESによる『BIG LOVE Vol.1』 がある。共に中野雅之がメンバーに名を連ねるバンド同士であり、このライブではTHE SPELLBOUNDがBOOM BOOM SATELLITESの楽曲を演奏することで“対バン”が実現した。

 BOOM BOOM SATELLITESは多岐にわたるダンスロックを生み出した伝説的バンドで、そのエネルギッシュなパフォーマンスは国外でも強い支持を集めた。川島道行(Vo/Gt)が2016年に亡くなり、中野雅之(Ba/Prog)がその意志を受け継ぐ形でTHE NOVEMBERSの小林祐介(Vo/Gt)をボーカリストに迎え、THE SPELLBOUNDが始動。耽美な歌声を携え、現行のダンスミュージックのトレンドと呼応する楽曲は、まさにBOOM BOOM SATELLITESの歴史の延長上にある音と言える。バンドの魂を継承し、そして未来へと繋げていく意義深い共演だったと言えるだろう。

MORNING AFTER(BOOM BOOM SATELLITES)in “A DEDICATED CHAPTER TO STUDIO COAST AND YOU” at STUDIO COAST

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