三代目 J SOUL BROTHERS、再結集したメンバー7人の自由なやり取り ドームツアーにも高まる期待

“愛裂”の鼓動を感じて

 今回のアリーナツアーをそうして再結集する「約束の地」と理解すると感慨深いものがある。ぼくは同ツアー公演を観られなかったが、5月の埼玉公演の模様を収録した映像作品によって疑似体験することができる。これが感涙物のライブ名盤なのだ。ファーストトラックが、今年最初のシングルとして1月5日にリリースされた「この宇宙の片隅で」。ピアノ序奏によってライブ終盤かと思わせるくらいのエモーションをチャージする。

 STYが「R.Y.U.S.E.I. pt.2」をテーマに書き下ろした「STARS」が続き、約束の地を象徴するアンセム「VII CROWNS」でリスナーを興奮の渦へ。ぼくは「君となら」で泣いた。例え自分が世界の片隅にいたとしても、このラブソングひとつあれば、必ず世界全体と繋がっていられる。JSBワールドへ想像が膨らむ。

 三代目JSBサウンドを動機づけるEDMの爆裂音に対して、13年目の彼らが愛を込めて奏でる「君となら」は、「Best Friends'Girl」とともに1stアルバム『J Soul Brothers』(2011年)に収録された。J Soul Brothers精神を受け継ぎ、R&Bルーツに立ち返るようにより深く表現すること。ベテランの域に入ったツインボーカルによるフレージングは、言うなれば“愛裂”の妙技。

 するとこの間、永瀬正敏主演、窪田正孝共演の映画『ファンシー』(2020年)の監督で、個人的に交流がある廣田正興さんとのよもやま話で目から鱗の観点を得た。廣田監督からは、「純愛を求める聴き手には三代目JSBが理想形なのでは?」と言われたのだが、これは確かになと思ったのだ。〈I’m in love with U〉と歌うシンプルな愛の囁きに応じて愛裂サウンドの鼓動が感じられる。すでに名古屋公演を終え、12月から東京、福岡、大阪と続く、すべてのMATE待望のドームツアーでは、一体どんな“愛LAND”へ誘われるのだろう?

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