三代目 J SOUL BROTHERS、6度目のドームツアー初日レポ 遊び心を全開にした新しいライブの形
三代目 J SOUL BROTHERSにとって約2年ぶり、6度目のドームツアー『三代目 J SOUL BROTHERS PRESENTS “JSB LAND”』が、11月18日にバンテリンドーム ナゴヤにて開幕した。
個人活動が中心だった2022年から、グループとしての再始動を宣言した2023年。2月より行われたアリーナツアー『三代目 J SOUL BROTHERS LIVE TOUR 2023 “STARS” ~Land of Promise~』を経て開催される今回のツアー。この“JSB LAND”こそが、7人とMATE(ファンの呼称)で辿り着いた“約束の場所”であり、彼らが示す“新しいライブの形”なのだという。
会場の外には「Welcome to JSB LAND」と書かれたゲート。中に入ると異世界へ入り込んだと思わせるステージセットが目に入り、耳をすませば鳥のさえずりのような音が聞こえてくる。センターステージの上部からは神殿の屋根のようなものも覗いており、遊び心満点の会場に開演前から心を躍らせた人も多かったことだろう。
開演を告げるカウントダウンの後、植物や動物などの大自然をモチーフにしたオープニング映像が流れ、サポートダンサーによる儀式のようなものが繰り広げられると、センターステージに7人の姿が現れ、黄色い歓声が上がった。ライブは、11月11日にリリースされた新曲「Awakening Light」の初パフォーマンスで幕を開け、レーザーのような照明やファイヤーボールなどの演出も相まって会場の熱が一気に高まっていく。
序盤は「J.S.B. DREAM」「J.S.B. LOVE」のJ.S.B.シリーズにはじまるアッパーチューンの連続で、総勢92名のサポートダンサーを交えた迫力あるパフォーマンスに、とにかく息をつく暇がない。前回のドームツアー『三代目 J SOUL BROTHERS LIVE TOUR 2021 “THIS IS JSB”』は声出しの制限があったが、もちろん今回は全面解禁。メンバーは積極的に客席を煽り、何度も「JSB」のコール&レスポンスが響きわたった。なかでも印象的だったのは、「CHAIN BREAKER feat. 登坂広臣」(PKCZ®︎/ØMIソロ曲)、「TUXEDO」(今市隆二ソロ曲)、「NEOTOKYO」(ELLYソロ曲)と、メンバーのソロ曲が立て続けに披露されたこと。それも個人でのパフォーマンスではなく、歌唱パートはØMIと今市で分け、パフォーマーも全員参加して盛り上げる、本ツアーでしか見られない貴重な内容となっていた。
また、ドームはアリーナよりステージと客席の間にどうしても物理的な距離が生まれてしまうが、それを感じさせないようにする彼らの優しさも垣間見えた。「O.R.I.O.N.」「Waking Me Up」「R.Y.U.S.E.I.」ではメンバーがフロートに乗ってフロアを周り、「後ろまでしっかり見えているよ」と伝えるように、アリーナ席からスタンド席後方まで一人ひとりに視線を向けていく。会場の規模なんて関係なく、彼らは私たちが全力で楽しめる空間を作り上げてくれる。
中盤では山下健二郎がMCを務める「山フェス」のパートも。楽曲披露はもちろん、スーツ姿の山下がフレディ・マーキュリーさながらのコール&レスポンスで煽ったり、“会場が盛り上がっているかの見回り”と称して今市を後ろに乗せてフロアを電動自転車で走ったりと、終始見どころ満載だ。山下以外のメンバーも、「FIGHTERS」で小林直己がギターを奏で、自身が参加しているHONEST BOYZ®️の楽曲「要!」ではNAOTOがオーディエンスをハンズアップさせ、「Only One For Me」で岩田剛典が甘い歌声を届ける。それぞれの持ち味が発揮されるパートとなっていて、グループとしてだけでなく、個々でも活躍する三代目 J SOUL BROTHERSの強みが活かされていると感じた。
「山フェス」後は今市・ØMIによる「Powder Snow ~永遠に終わらない冬~」「東京」の歌唱、ダンサーなしの7人で「Best Friend's Girl」「花火」披露と、バラード曲をメインにしっとりした雰囲気で届けた。そこから、赤いライトが情熱的に会場を彩った「SCARLET」を機に、再びダンスナンバーで盛り上げていく。7曲を盛り込んだメドレーでは、「Angel」「DIAMOND SUNSET」と、ここでも今市・ØMIのソロ曲を全員でパフォーマンスする一幕も。メドレー後には、今年のアリーナツアーでは序盤に届けられた「STARS」が披露されたのだが、クライマックスに向けたところに配置されているあたりにも、この曲が今の三代目 J SOUL BROTHERSにとって重要な役割を担っていることが窺える。