岩田剛典、「モノクロの世界」で表現した自然体の姿 三代目JSBドームツアーへの意気込みも

岩田剛典「モノクロの世界」で表現したもの

 2021年にセルフプロデュースプロジェクト Be My guestを立ち上げた岩田剛典(EXILE/三代目 J SOUL BROTHERS)が、11月6日、前作から7カ月ぶりとなるデジタルシングル曲「モノクロの世界」をリリースした。今作はシンプルなローファイサウンドをベースにしたリラックスムード漂うラブソングであり、歌詞は岩田自身による書き下ろし。楽曲の制作エピソードや、パリで撮影したというMVの裏話、ドームツアー『三代目 J SOUL BROTHERS PRESENTS “JSB LAND”』の意気込みについて、思う存分語ってもらった。(斉藤碧)【記事最後にプレゼント情報あり】

「モノクロの世界」は初めて最初から最後まで自分で作詞を手がけた楽曲に

――「モノクロの世界」(Lyrics: Takanori Iwata/Music: Erik Lidbom, Adam Jönsson)はいつ頃から制作を始めたんですか?

岩田剛典(以下、岩田):実はですね、「モノクロの世界」はレコーディングさえ間に合えば、昨年のツアー中(初のソロツアー『Takanori Iwata LIVE TOUR 2022 “THE CHOCOLATE BOX”』)で披露しようかなって考えていた曲なんですよ。前回のアルバム『The Chocolate Box』には入らなかったんですけど、それくらいから制作していたんです。

――そんなに前から! じゃあ、約1年越しのリリースですか。

岩田:そうそう。お気に入りの曲だから、アルバムとは別の形でちゃんと届けたいという想いがあって。とはいえ、少し季節感のある曲だから夏に出すのは違うかな、11月くらいなら似合うかな、ここから冬にかけて聴いてもらえたらいいな……みたいな事情があって、リリースが今になりました(笑)。トラックは海外の作家さんが作ってくださったんですが、アルバム用のデモを試聴している時に、「これはいい!」と思ってキープしていた曲ですね。トップライン(メロディ)にはR&Bの要素も入りつつ、全体的には僕の好きなチルポップで、バラードまではいかないくらいのミディアムナンバー。歌詞は、今までは他の作家さんと一緒に作ることが多かったんですけど、今回は完全に1人で書き上げました。最初から最後まで1人で作詞したのは、おそらくこれが初めてなんじゃないかなと思います。

岩田剛典

――歌詞を書くにあたって、どんな構想がありましたか?

岩田:この曲は「『モノクロの世界』っていうタイトルの曲を作りたい」っていうところから書き始めましたね。で、ラブソングにしようと思いました。これは一般論ですけど、恋愛をしている時って、それまでと同じ空気を吸っていても、同じ映画や音楽を鑑賞していても、なぜか違うように感じたり、色濃く記憶されたりするじゃないですか。恋愛に限らず、普段の代わり映えのない生活が“モノクロの世界”だとしたら、“ときめき”はそこに彩りをくれるものだと思うんです。その心情の変化が不思議だなと感じて、そういう歌詞を書こうと思いました。

――個人的には、曲を聴く前に「モノクロの世界」というタイトルのラブソングだという取材資料を読んで、失恋をして色を失った世界をイメージしたんですが、この曲は逆に世界が色づいていく様を描いているんですね。

岩田:自分はよく絵を描くので、歌詞を書く時も絵を描いているような感覚なんですよね。だから、白いキャンバスに鮮やかな色を乗せていくように、主人公が心惹かれる相手と出会ったことで一筋の光が差し込み、無機質な世界が徐々に色づいていく様をイメージして歌詞を書いていきました。

季節感を入れすぎないように書かれた歌詞

――作詞を始めて最初に浮かんだフレーズは?

岩田:サビ終わりの〈モノクロの世界を照らすよ〉です。タイトル先行で作り始めたので、歌詞にもタイトルを入れたくて。最初にそのフレーズが決まって、そこから逆算して1曲に仕上げていきました。わりと日本語の多い歌詞ではあるんですけど、デモの仮歌が英詞ですごく雰囲気が良かったから、その美味しいところは残したいなと思って、言葉選びは慎重にやりましたね。

――例えばサビ頭の〈Let you go〉などは英詞ですが、仮歌詞をそのまま活かしている部分もあるんですか?

岩田:どこを活かしたかはパッと思い出せないけど、そういう部分もあったと思います。ちなみに、〈Let you go〉だけだと「あなたを手放す」っていう意味だけど、実際はその前の〈I never〉から続いている「I never let you go(君を離さない)」だから。サビが〈Let you go〉から始まってる風っていう、ちょっと面白い作りの歌詞になっていますね。あと、Dメロはデモを聴いた時にジャスティン・ビーバーっぽい印象を受けたので、これをなんとか日本語にできないかな? と思って試行錯誤しました。

岩田剛典

――〈ゆらり流れる日々に〉という表現も素敵ですね。洋楽っぽいムードの中に、日本語ならではの繊細な美しさが光っていて。

岩田:ありがとうございます。僕もね、「『ゆらり』来たな」って思ったんですよ(笑)。「ふらり」とか「きらり」とか、いろいろ考えたんだけど、「ゆらり」を閃いた時にこれだ! って。

――嬉しそうな顔(笑)。他に、歌詞を書いていて悩んだ部分は?

岩田:季語をどれだけ入れるかっていうのは悩みましたね。最初はメロ部分に冬の季語をいっぱい入れようかとも思ったんですけど、入れすぎると“冬曲”のイメージが強くなって、今後ライブをしていくにあたって、この曲を歌えない時期が来るんじゃないかなって思ったんです。むしろ、使える時期がかなり限られるなって(笑)。それが僕は嫌だったので、一旦完全に“冬曲”に全振りしたバージョンを書いたところから、徐々に季節感を削いでいって今のバージョンに落ち着きました。

――サビの〈忘れかけていた 温もりだけが〉の「温もり」は、冬曲の名残でしょうか。

岩田:それと〈塞いだ心を溶かすように〉の「溶ける」ね。でも、そのくらいじゃないかな? 「温もり」とか「溶ける」とか言うと冬っぽくなるから、そのバランスが難しいんだけど、「溶ける」は夏でもいけるかな? なんて考えて入れてみました。

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