tetsuyaによるL'Arc~en~Cielコピーバンドも コロナナモレモモら本体から発展する活動手法

 これまでの2組とは少し異なるが、THE SPELLBOUNDの活動も独自的な発展の要素がある。THE SPELLBOUNDは、BOOM BOOM SATELLITESの中野雅之とTHE NOVEMBERSの小林祐介で結成されたバンドである。ポイントなのが、結成に至るまでの経緯。THE SPELLBOUNDは、BOOM BOOM SATELLITESのボーカリストだった川島道行の逝去を経て、中野が自身のSNSでボーカルを募集したことから始まったバンドだった。THE SPELLBOUNDのライブでは、BOOM BOOM SATELLITESの楽曲を再現することもあった。しかしながら、BOOM BOOM SATELLITESの新しいボーカルとして小林が招聘されたわけではなく、あくまでもTHE SPELLBOUNDという新しいバンドを結成していることが前提にある。そのため、THE SPELLBOUNDは新曲のリリースも精力的に行っている。つまり、THE SPELLBOUNDはBOOM BOOM SATELLITESの要素を一部で受け継ぎつつも、新しく進化している、発展性を持ったバンドと言えるのではないだろうか。

span class="caption">MORNING AFTER(BOOM BOOM SATELLITES)in “A DEDICATED CHAPTER TO STUDIO COAST AND YOU” at STUDIO COAST

 小原綾斗とフランチャイズオーナーも面白い活動をしているバンドである。その名の通り、Tempalayのフロントマンである小原綾斗が中心になって活動しているバンドであるが、残りのメンバーはライブやレコーディングのたびに入れ替わり、固定化されているわけではない。ある種フランチャイズオーナー感があるというか、名を体で示したバンドであるといえる。

 同じメンバーでキャリアを積むからこそ、そのブランド力を強くしていくバンドが多い中で、一般的なバンドとは違う形で発展させているケースをいくつか取り上げてみた。近年、音楽表現の場が増えたり、アウトプットにもさまざまなパターンが生まれたことで、よりフレシキブルに活動できるバンドが増えた印象を受ける。これからも新たな形で活動を発展させていくバンドが登場するだろう。

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