aiko、あいみょん、三浦大知、乃木坂46、Red Velvet、GLIM SPANKY……注目新譜6作をレビュー
乃木坂46「Monopoly」
センターは遠藤さくら、賀喜遥香の4期生“かきさく”コンビ。過渡期に差し掛かった乃木坂46の新曲「Monopoly」は、切ないラブソングに仕上がった。自転車で風を切るときの体感にも似たリズム、シックな上品さをたたえたバンドサウンド、感情の発露を抑えたメロディライン、そして、“みんなに優しい君の愛を独占したい”という思いを込めた歌詞が一つになったこの曲は、これまでのイメージを踏襲しつつ、現在のメンバーの歌声の個性をしっかりと際立たせている。決して派手さはないが、ファンに長く愛される楽曲になりそうだ。らしさと新しさの絶妙なバランスを実現したこの曲とともに乃木坂46は、3〜5期生だけの初めての年末を迎える。(森)
Red Velvet「Chill Kill」
韓国5人組ガールズグループがカムバック。アルバム『Chill Kill』の一曲目となる表題曲がこちらである。「Chill Kill」とは「静けさを破る存在」の意味だそうで、ショッキングな事件、突然やってくる疫病や災難、予想もしない朗報など、多面的な解釈ができる。シリアスなトーンで始まるトラックと、愛らしさよりも透明感の勝る歌唱、サビに向けて一気に明るく動き出す曲調や、〈Happy Ending〉という意味深長な歌詞。どこまでがリアルでどこからがフィクションなのか惑わせる舞台の作り方は、活動歴の長いグループゆえにできることだろう。ダンスシーンとホラーサスペンス調が混ざり合うMVもRed Velvetらしい。(石井)
GLIM SPANKY「The Goldmine」
7thアルバム『The Goldmine』のオープニングを飾る表題曲。雑踏のノイズを切り裂いて始まるイントロは、大砲のごとく響くバスドラム、そして極太のリフをユニゾンで鳴らすエレキギターだ。ハードロック全盛期に肉薄するダイナミズムは、熱苦しいテンションでゴリ押しすると逆効果。そこで、歌唱部分に入ると音数はスッと差し引かれ、バスドラの音を加工した低音ビートだけが残る。松尾レミ(Vo)も普段より低めの音域を意識的に使っているようで、いかにもロック的なハイトーンが実は控えめである。押しと引きを熟考した全体のバランス、中音域に集まりがちなロックサウンドを可能な限り広いレンジで聴かせるミックス。かなり挑戦的に作られた一曲だ。(石井)
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