20th Century、NiziU、LE SSERAFIM、緑黄色社会、MY FIRST STORY、Kvi Baba……注目新譜6作をレビュー
New Releases In Focus
毎週発表される新譜の中から注目作品をレビューしていく連載「New Releases In Focus」。今回は20th Century「回れよ地球」、NiziU「HEARTRIS」、LE SSERAFIM「Perfect Night」、緑黄色社会「花になって - Be a flower」、MY FIRST STORY「蜃気楼」、Kvi Baba「Luv Myself feat. AKLO & KEIJU」の6作品をピックアップした。(編集部)
20th Century「回れよ地球」
藤巻亮太による提供楽曲。ゆったりしたサビの唱和から始まり、メインは3人それぞれの歌唱、その周りにアコースティックギターや鍵盤が柔らかく配置されたアレンジが続く。いかにも老若男女に向けた「みんなの歌」風の応援歌かと思ったが、最初に訪れるサビからリズムが倍に進化。打ち鳴らされるタンバリンも、走り出すようにスネアを連打するドラムも、明らかにオープニングとは違う躍動を見せている。楽しさ、笑顔、明るいニュースが必要ですと優等生的に歌うのではなく、20th Centuryの3人と藤巻が本気のハピネスを求めた曲であることがわかる。〈大人(俺ら)が楽しんでなきゃさ/そりゃ子どもは真似するよな〉。このメッセージは伊達じゃない。(石井)
NiziU「HEARTRIS」
ついに本格的な韓国デビューを果たしたNiziU。韓国での1stシングル『Press Play』のリードトラック「HEARTRIS」は、カラフルなシンセサウンド、厚みのあるダンストラック、キャッチーで切ないメロディが一つになったポップチューン。リズムの心地よさを感じさせるボーカル/ラップからは、メンバーの新たな進化ぶりが伝わってくる。作詞にはプロデューサーのJ.Y. Parkが参加。“私たちは何もかも正反対だけど、うまく回転させれば相性抜群!”という愛らしい恋心を鮮やかに描き、グループとしての魅力を増幅させている。MVはハイスクールを舞台に、アニメ、CGなどを組み合わせた映像。Stray KidsのFelix(フィリックス)が“学園一のイケメン”として出演していることも話題だ。NiziUのチャームが込められたこの曲が韓国でどんなリアクションを生むのか、注視したい。(森)
LE SSERAFIM「Perfect Night」
初の英語詞となる新曲。MVは人気ゲーム『オーバーウォッチ2』との共同制作で、メンバーのダンスシーンと、彼女たちのコンサートに駆けつけようと車を飛ばすキャラクターたちのアニメーション、共にハイクオリティな映像が揃う。「完璧な夜」というタイトルではあるが絶好調のパーティーソングとは違い、柔らかなアコギと切ないメロディが静かな余韻を残す。また面白いのは、原曲を速くした「Sped Up Ver.」と、やや遅くした「Slowed+Reverb ver.」、2曲のリミックスがすでに登場していること。特に後者は男性シンガーのソウルナンバーかと思うような仕上がりだ。最適解のBPMを聴き手に委ねる姿勢が、常にファンと共にあるグループのあり方を示す。(石井)