BAD HOP、¥ellow Bucks、ちゃんみな、PUNPEE…総勢50組以上が奇跡を繋いだ『THE HOPE 2023』振り返る

国内最大級HIPHOPフェス『THE HOPE』レポ

 時間にして20時30分頃、ついに大トリ・BAD HOPのライブが幕を開ける。この日のBAD HOPは7月の『FUJI ROCK FESTIVAL』で話題を呼んだバンドセットでの出演だった。オープニングから「Kawasaki Drift」をラウドロックなサウンドで披露し、会場は歌詞の通りアクセル全開、これまでの疲れを忘れたように大歓声が湧いた。

 勢いを切らすことなく「Friends」、「High Land」、「Suicide」と続き、ここでMCが入る。BAD HOPのラストライブが、東京ドームにて2024年2月に開催されることが発表されたのだ。「やるって決めたらやるのが俺達のHIPHOP」と、T-Pablowが前人未到の地に立つ覚悟を語った。国内HIPHOPが勢力を拡大し続け、ついにたどり着いた東京ドームのステージ。この発表は全てのHIPHOPアーティストに「希望」を与えたに違いない。

 そしてこの日最後のパフォーマンスは、制作中のアルバムからの一曲。その場にいた全員が目の前の光景を胸に刻み、ステージを後にするBAD HOPには惜しみない拍手と声援がかけられた。

BAD HOP(photo by Masanori Naruse)

 これで『THE HOPE』の全公演が終了し、観客も帰路に着こうとステージに背を向けた直後、欠席した百足&韻マンの「君のまま」が流れ始めた。彼らを目当てに参加を決めた人も多いはず、なんとも粋な計らいである。フックに合わせて大合唱が始まり、大団円を祝福する花火が打ち上がった。

 今回のフェスは、ここでは紹介しきれないサプライズゲストの豪華さが光った。ANARCHYは新譜の客演であるC.O.S.A.を呼び込み、新曲を披露。また、舐達磨のステージでは「OUTLAW」にてAwichが姿を見せたり、DJ TATSUKIが「TOKYO KIDS」をプレイした時も、IOやMonyhorseだけでなくリミックスに参加したZeebra、般若が登場し、会場を賑わせた。そしてDJ RYOWのステージではAK-69、"E"qual、般若、R-指定、紅桜、SOCKS、 C.O.S.A.、MaRI、CYBER RUI、G.O.T.O.が続々と登場。「WHO ARE U? remix」ではモニターにTOKONA-Xのライブ映像が流れており、この曲が産み落とされて20年が経った今も伝説は続いていると思い知らされた。

 冒頭で50組以上と紹介したが、ゲストを含めたら数えるのを諦めるほどのアーティストがステージに立ったことになる。まさに国内HIPHOPの集大成を見せた“奇跡”のような時間だった。

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