漢 a.k.a. GAMIの料理番組、AK-69の愛車紹介……ラッパーによる“趣味爆発”なYouTube企画を楽しむ

 ラップの醍醐味の一つは、ラッパーの生き様やライフスタイルがリリックに色濃く反映されることである。そのため、自らのライフスタイルの軸となる趣味を前面に押し出した曲も多い。例えば、Y’S「それでも釣りに行く(feat. RAW-T & 遊戯)」は「ツリジャンキーTV」というYouTubeチャンネルを運営する釣り好きなY'Sによる“釣りアンセム”であり、Young Hastle「Workout Remix feat. 般若 & Shingo☆西成」は参加ラッパー3人の共通の趣味である筋トレをテーマにした“筋トレ賛歌”である。

Y'S『それでも釣りに行く feat.RAW-T & 遊戯』OFFICIAL MUSIC VIDEO
Young Hastle - Workout Remix feat. 般若 & Shingo☆西成 Official Video

 そして近年では楽曲だけにとどまらず、料理や車などヒップホップと関係の深い趣味をテーマにしたラッパーのYouTubeチャンネルも増えてきている。そこで本稿では、“趣味爆発”なラッパーのYouTubeチャンネルを紹介していきたい。

ゲストとの絶妙な掛け合いトークが魅力の「漢 Kitchen」

 自らキッチンに立つこともある飲食店「9SARI CAFE & BAR」を運営する漢 a.k.a. GAMI。彼がMCを務める料理番組をアップするYouTubeチャンネルが「漢 Kitchen」だ。楽曲やMCバトルで見せるハードコアなラッパーのイメージとは対照的に、慣れた手つきで手際よく料理をしていく料理家としての漢の一面が見られる。番組では毎回ゲストにヒップホップシーンで活躍するアーティストが登場し、ヒップホップ色強めなメニューをオーダー。料理や音楽の話題を中心に漢とゲストで繰り広げられる絶妙な掛け合いトークが魅力である。

 例えば、4月7日現在でチャンネル最多の54万回視聴されている梵頭ゲスト回のメニューは「山賊薬味を使った緑のパスタ&副菜」。このメニューにはメインの緑色野菜としてブロッコリーが使用されているのだが、実はブロッコリーはマリファナを意味するスラングでもある。料理をしながら漢が「ブロッコリーの扱いには慣れているんじゃないですか?」と梵頭をいじったり、バトルMCとして活躍する梵頭に対し「“ブロッコリー”で韻を踏んでいくなら?」と話題を振っていく。梵頭はさすがと言える固い韻のアンサーを返すのだが、話の脈絡がなかったために漢から「脈絡をつなげるとしたら?」と冷静に返されてしまう。それに対して、なかなか脈絡のある韻を踏めない梵頭。料理をしながら事あるごとに“ブロッコリー”で韻を踏ませようとする漢と、いじられ役に徹して奮闘する梵頭のやり取りには思わず笑みがこぼれてしまう。

【ゲスト:梵頭】漢 Kitchen ~漢 a.k.a. GAMI の料理番組~

 2022年11月からスタートした同チャンネルに、今後どんなゲストが登場するかも楽しみだ。この回以外にも若手からベテランまで様々なゲストが登場しているので、気になった方はぜひ動画をチェックしてみてほしい。

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