EARTHSHAKER、アルバム『40』で回帰したバンドの原点 デビュー40周年の今とこれからを語る

EARTHSHAKER、40周年迎えた現在地

今度は5年も待たせることなくアルバムを出したい(SHARA)

EARTHSHAKER (撮影=西村満)

――この40年のあいだに解散と再結成を経験したり、メンバーも4人から5人に戻ったりと、EARTHSHAKERにはさまざまなターニングポイントがあったと思います。そのなかでも、皆さんそれぞれが思う大きなターニングポイントとなると、どういったものになりますか?

SHARA:僕はやっぱりデビューした時がいちばん大きかったかな。当時はレコードを出していると“プロ”、出していないと“アマチュア”っていう時代だったから、やっとそこに足を突っ込めたわけで。解散した時期もあったけど、再結成してからはずっとローリングしている感覚ですね。

TOSHI:自分は関西にいた頃からEARTHSHAKERのことは知っていたので、そのバンドにサポートで参加して、1986年に正式加入できたことがいちばんのターニングポイント。と同時に、2017年に再びEARTHSHAKERと巡り会えたことも、それと同じくらい大きいことでしたね。自分の人生のほとんどがEARTHSHAKERに注ぎ込まれたわけなので……。

KUDO:よく言うわ(笑)。

MARCY:この人、アマチュア時代の僕たちからしたら憧れの存在だったんですよ。だって、ScheherazadeやNOVELAといった、僕らがチケットを買って何回も観に行っていたすごいバンドのキーボーディストだったわけですから、サポートで参加してくれると知った時は緊張しましたし(笑)。

SHARA:めちゃくちゃうれしかったよね。

TOSHI:いつもそう言ってくれんねんけど、こっちも同じ気持ちよ(笑)。なので、大好きなバンドに2回も加入できたことが、自分にとって最大の喜びです。

KUDO:僕はシェイカーに加入した時ですかね。あれがなかったらヤンチャして、今頃死んでいたかもしれんし(笑)。もちろん、シェイカーに入ってから山あり谷ありいろいろありましたけど、根本的にはそこちゃうかなと。19歳だったかな、SHARAから誘ってもらって。

MARCY:その頃の話を聞くのが、いちばん楽しいわ(笑)。

SHARA:ドラマーを決めるために何人かオーディションしたんですけど、KUDOはほかの候補者が気になって気になってしょうがないからか、「今から行っていい?」と家へ夜に来て、仏さんに供えてあるごはんに手を出しながら「俺な、毎日『EARTHSHAKERのオーディションに合格しますように』ってお願いしながら、仏さんのごはん食べてんねん!」とか言って(笑)。こいつ落としたら殺されるんちゃうかと、それぐらいゾッとしましたよ(笑)。

KUDO:ヤバイ奴に思われてたんや(笑)。

MARCY:面白いですよね(笑)。それこそ僕がScheherazadeを観に行って、そのオープニングアクトで出ていたのが、その後LOUDNESSのボーカルになる二井原(実)がいた、自分が加入する前のEARTHSHAKERだったんですよ。

KUDO:僕も同じライブを観に行っていたしね。

MARCY:その数年後に自分もKUDOもシェイカーに加入して、そこから40数年やり続けるとはね。本当に不思議ですよ。だから、自分にとってのターニングポイントは1980年にEARTHSHAKERに加入したことかな。

SHARA:ニイちゃん(二井原)が抜けたことでベースとボーカルがいなくなって(当時、二井原はボーカルとベースを兼任)、KAIとMARCYがやっていたThe Mantisというバンドはギターとドラムがいなくなって。その頃、僕がバイトしていた心斎橋BAHAMAというライブハウスの夏休み企画として、複数のバンドのメンバーがセッションを繰り広げることになり、そこにMARCYが来て、「一緒に(バンドを)やらへんか?」と言ってくれたんです。こっちとしては、もう願ったり叶ったりでしたよ。

KAI:僕はそのセッションに参加した時のことを、すごく鮮明に覚えていて。あれが最初のターニングポイントでしたね。解散したあとにファンクバンドをやっていたんですけど、それまでは8ビートの平坦なノリしかできなかったから、そこでファンクの16ビートが弾けるようになって。そのあとにEARTHSHAKERが再結成したんですけど、ファンクバンドを経験したことで自分自身の演奏が変わったなと感じられたことも大きかったかな。

――1979年にKUDOさん、1980年にMARCYさんとKAIさんがバンドに加わり、デビュー時の4人が揃ってからすでに43年。その後、1994年に一度解散し、1999年に再結成を果たすわけですが、気づくとすでに24年経っているんですよね。

KUDO:再結成してからのほうが長いんや(笑)。

MARCY:デビュー時のインパクトが強かったから、解散前の活動期間のほうが長いイメージがあるんでしょうね。僕らも再結成後のほうが長いんだと驚いているぐらいですし。だから、2000年代のEARTHSHAKERのことをよく「最近のEARTHSHAKER」と言ってしまうんですよ(笑)。

――80年代から見ている側としても、同じように言ってしまいがちですから(笑)。ここまで長くバンドを続ける秘訣は、何かあるんでしょうか?

MARCY:やっぱり毎年ツアーを続けることがロックバンドの基本であり、そこでファンの人と会ってパワーをもらっているのは間違いないですよね。それを海外アーティストのようにアルバムを7、8年ぶりに作り、そこからやっとツアーするのであれば、継続していくパワーはなくなっていくんじゃないかな。だから、毎年何かしらツアーをやるんです。みんなが待っている街に行く。そしてみんなと会う、みんなからパワーをもらう。みんなも僕らからパワーをもらって、「また1年頑張れるわ!」「また来年もライブしに来てな!」と言ってくれる。結局はファンの方あってこそかなと思います。綺麗事ばかり言いやがって、と思われるかもしれないけど、それは間違いなく事実で。

――特に、この2、3年はそれすらも難しかったから、最近はその重みをより感じたのではないでしょうか。

MARCY:そうですね。不自由さはあったけど、あのライブハウスという空間に一緒にいられることが、すごく大事なんだなと実感しました。

――ツアーは12月まで続きますが、そのあとのEARTHSHAKERはどうなっていくのでしょう?

SHARA:またツアーをやって、今度は5年も待たせることなくアルバムを出したいですね。このメンバーが元気なうちに(笑)。

■リリース情報
アルバム『40』
発売中

配信URL:https://lnk.to/EARTHSHAKER40

KICS-4110/3,630円(税抜価格 3,300円)

<収録曲>
01. 儚き夢よ
02. HEY! Mr. JOKER
03. IT’S SHOWTIME
04. 旅路の果てまで
05. 点と線
06. OUR GLORY DAYS
07. 永遠に消えぬ約束
08. ANGEL
09. 傷跡
10. SONG OF LOVE

■ツアー情報
全国ツアー『EARTHSHAKER 40th Anniversary LIVE TOUR「IT'S SHOWTIME」』
※終了した公演は割愛

11月3日(金)福岡the voodoo Lounge
開場 15:00/開演 15:30

11月4日(土)熊本 Django
開場 16:30/開演 17:00 ※オープニングアクト有り

11月5日(日)鹿児島県出水Live&Bar【Zip!!】
開場 17:00/開演 18:00

11月11日(土)柏ThumbUp
開場 15:00/開演 16:00

11月12日(日)横浜セブンスアベニュー
開場 15:00/開演 16:00

11月18日(土)茂原ASMO劇場
開場 16:00/開演 17:00
※VIP席:開場 16:00(メンバーとの記念撮影 ※開場時間に遅れないようご注意ください)
※一般席:16:30

11月19日(日)太田EMOTION
開場 15:30/開演 16:00

11月23日(木)札幌BESSIE HALL
開場 15:00/開演 16:00

11月25日(土)札幌SUSUKINO810 《SOLD OUT》
『EARTHSHAKER 40th Anniversary LIVE TOUR GREATEST HITS 80ʼs ENCORE』
開場 15:00/開演 16:00

11月26日(日)帯広メガストーン
開場 15:00/開演 16:00

12月1日(金)大阪バナナホール
開場 18:00/開演 19:00

12月2日(土)名古屋E.L.L.
開場 15:00/開演 16:00

12月3日(日)神戸VARIT.
開場 15:00/開演 16:00

12月9日(土)下北沢CLUB Que
開場 15:00/開演 16:00

12月23日(土)岡山CRAZYMAMA KINGDOM
開場 15:00/開演 16:00

12月24日(日)広島LIVE VANQUISH
開場 15:00/開演 16:00

オフィシャルサイト:https://earthshaker.jp/
キングレコード アーティストページ:https://kings-rock.jp/artist/earthshaker

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