KID PHENOMENON「存在証明」バイラル1位 『るろ剣』ED映像とのマッチング

Viral Chart Focus

 Spotifyの「Daily Viral Songs(Japan)」は、最もストリーミング再生された曲をランク付けした「Spotify Top Songs」とは異なり、純粋にファンが聴いて共感共有した音楽のデータを示す指標を元に作られたランキング。同チャートの10月25日付のTOP10は以下の通り(※1)。

1位:KID PHENOMENON「存在証明」
2位:tuki.「晩餐歌」
3位:NCT NEW TEAM「Hands Up」
4位:PRODUCE 101 JAPAN THE GIRLS「LEAP HIGH! ~明日へ、めいっぱい~」
5位:K.E.I「Vacation」
6位:原口沙輔「人マニア」
7位:BUCK-TICK「JUST ONE MORE KISS」
8位:しぐれうい「粛聖!! ロリ神レクイエム☆」
9位:BUCK-TICK「ドレス」
10位:JENNIE「You & Me」

 今回は平均年齢17歳の新人ダンス&ボーカルグループ、KID PHENOMENONにスポットを当てたい。

 彼らは、約48000人が参加したLDH最大規模のオーディション『iCON Z ~ Dreams For Children~』の第二章を経て結成されたグループである。8月23日に発売されたシングル『Wheelie』でデビューを果たした。

 今回バイラルチャートで1位となった、KID PHENOMENONの2ndシングル表題曲となる「存在証明」は、本年7月からスタートした連続2クールTVアニメ『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』(フジテレビ系)の第2クールEDに起用され、第2クール初回放送の翌日となる10月6日から先行配信がスタート。そして10月23日付のデイリーバイラルチャートに3位で初登場すると、24日に2位、25日には1位となり、以降、28日まで首位をキープしている。このチャートアクションは『るろうに剣心』のEDに起用されたことにより、アニメファンも含め、一気にファン層が拡大したことが大きいだろう。『るろ剣』は、和月伸宏原作の漫画作品で、1994年に初めてオーディオブック化されて以降、1996年に初アニメ化、翌年にはアニメ映画化と続き、2012年には本格的なアクション映画として大ヒットした実写映画化など、多角的なメディアミックスを長年展開してきたビッグコンテンツだ。2017年からは原作漫画の続編が連載中である。

TVアニメ『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』第二クールED映像|KID PHENOMENON「存在証明」

 とはいえ、毎クール、それこそ何十作も放送されるテレビアニメの中で、なぜ今クール『るろ剣』のED「存在証明」がここまで注目を集めたのか。それはEDテーマの映像と「存在証明」の曲調、歌詞が見事にマッチングしているからだと考察する。昨今のテレビアニメのOPは、凝った映像で、切り替えのテンポ感や演出など、さながら楽曲のMVを思わせるものも多い。対してEDはクレジットを見せるという主旨もあり、シンプルになる傾向があるように感じる。『るろ剣』のED映像も同様で、墨絵や静止画を使い、切り替えのテンポもゆっくりだ。

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