G-FREAK FACTORY、The Birthday、浅井健一&TIK……世代の異なるメンバー擁する刺激的なロックバンド
ニューシングル『RED EYE BLUES』リリースを目前にした2023年6月、G-FREAK FACTORYにLeo(Dr)が正式メンバーとして加入した。2022年末に、それまでドラマーだった渡部“P×O×N”寛之が脱退。その後、Leoはサポートドラマーを務めていたので、満を持しての正式メンバーへのステップアップとなった。
G-FREAK FACTORYの結成は1997年で、25年を超える活動歴を誇る。その旅路の中で、これまでも幾度かドラマーのメンバーチェンジと対峙してきた。特に、約10年にわたってドラマーを務めた家坂清太郎が脱退した際の不安を、LONG SHOT PARTY(2010年解散)で同世代バンドとして切磋琢磨していた経験のあるP×O×Nの加入が払拭してくれたことは、なんともドラマティックであった。しかし数年後、P×O×Nも脱退を表明する。悲しかったけれど、発表されたコメントを読んで完全に腑に落ちたので、G-FREAK FACTORYとP×O×N、それぞれの充実した未来を祈ろうと思えた。私も世代が近いからわかるけれど、彼らの世代(家坂は1974年生まれ、P×O×Nは1979年生まれ)は、体力や環境の変化に直面する時期だ。すべてのバンドマンが同じ理由ではないだろうが、この10年以内にいわゆる“ライブバンド”から脱退した、世代が近いバンドマン(特にドラマー)は何人か思い浮かぶ。そのたびに悲しみだけではなく共感も覚えてきた。それでいて、リスナーのわがままと言われるかもしれないが、自分自身の夢も託すように、どうかバンドには続いてほしいと願ってきた。この世代には、転んでも這い上がって、自らの道を作り上げてきたバンドが多いから。
今回、G-FREAK FACTORYは改めてそれを証明してくれた。レベルミュージックを体現した『RED EYE BLUES』というハードルを、Leoは見事に越えた。ここで特筆すべきは、Leoはまだ20代ということだ。前述したように、前任のP×O×Nは、1970年代生まれのG-FREAK FACTORYのメンバーと同世代だった。そこが大きく違う。いまどき、“年齢など関係ない”という発想がスタンダードなのかもしれないけれど、やはり観てきたものや聴いてきたもの、積み重ねてきた技巧、体力や環境などは違う。その溝が埋まらない場合もあるだろう。しかし、フレッシュな感性やパワフルな若さをポジティブに捉えれば、精神的にも活動的にも表現的にも、新しく勢いのある風を吹かせることができる。今のG-FREAK FACTORYからは、そんなムードを感じるのだ。
ちょうどG-FREAK FACTORYよりもひとつ世代が上であり、まさにライブバンドの道を作ってきた代表格であるKen Yokoyama(Ken Band)のドラマー EKKUNも、Kenをはじめとしたほかのメンバーとは10歳ほどの年齢差がある(※1)。そもそもFACTやJoy Oppositesでキャリアを重ねていたので、若手と言うのは憚られるけれど、Ken Yokoyamaの作品やライブを観聴きするに、彼がバンドを勢いづけ、いいムードに引っ張っていることは間違いないだろう。作風としても、EKKUNありきと言えるような楽曲が生まれており、ソングライティングに影響を与えていることが伝わってくる。