クレナズム、“心のささやき”を冠したミニアルバム 4人の感覚が合わさり生まれる新しいアレンジや言葉の視点

クレナズム表現した“心のささやき”

台湾ツアー、大切な人を失ったときの悲しみ…それぞれの経験が歌に

――そして「ふたりの傷跡」は、映画『ふたりの傷跡』の主題歌。映画には萌映さんをはじめ、メンバーのみなさんも出演されています。

萌映:お話をいただいたときは、「バンドマンだけど、大丈夫なの?」と不安でしたね。でも、私はもともとデザインを勉強していたこともあったり、表現することが大好きなので、映画に出演させてもらったことで、自分のなかの幅が広がった感覚があって。すごくいい経験になりました。

クレナズム『ふたりの傷跡』culenasm 『hutarinokizuato』映画『ふたりの傷跡』主題歌(Official Audio)

まこと:僕らはクラスメイト役だったんですけど、また制服を着るなんて思ってなかったです(笑)。

しゅうた:(笑)。さっきも言いましたけど、劇伴を作れたのも嬉しかったです。そういう仕事もしたいねって言ってたので。

まこと:今後はアニメの音楽もやってみたいですね。アニメ、めっちゃ好きなので。

しゅうた:移動中はけっこうアニソンがかかってますね。

――「再去見尓」(ザイチージェンニー/作詞 : しゅうた , 萌映・作曲 : しゅうた)は、ゲシュタルト乙女との台湾ツアーの経験をもとにした楽曲だそうですね。

しゅうた:クレナズムの初めての海外ライブも台湾で、それがコロナの前(2019年)だったんです。ゲシュタルト乙女とは以前から仲が良くて、ずっと連絡を取り合っていて。4年ぶりに台湾でライブをやれたんですけど、お客さんの反応も本当にすごくて。そのなかで感じたことを曲にしたいと思って作ったのが、「再去見尓」ですね。久しぶりに台湾の人たちに会えたのは本当に嬉しかったけど、また何があるかわからないし、もう会えなくなる人もいるんだろうなっていう……。最初は別れがテーマだったんですけど、萌映ちゃんが作詞に入ってくれて、前向きな歌詞になりました。

クレナズム『再去見尓』culenasm 『see you again』(Official Music Video)

萌映:台湾のライブ、めちゃくちゃ楽しかったんですよ。日本のお客さんは拳を上げて盛り上がってくれることが多いんだけど、台湾のみなさんは声で感情を表してくれて。イヤモニを通り越して聞こえてくるくらいの歓声を届けてくれて、すごくパワーをもらえました。

まこと:「ふたりの傷跡」も普段はクールな感じで演奏しているんですけど、台湾のお客さんはそんなの関係なく、ウワーッ!という感じで盛り上がってくれて。

けんじろう:ゲシュタルト乙女とお互いの曲をカバーし合ったんですけど、それもすごく喜んでもらえましたね。印象的な旅になりました。

――『Whisper of the heart』の最後に収められているのは、萌映さんの作詞・作曲による「ずっと変わらない愛を」。本当に素晴らしいラブバラードですね。

萌映:ありがとうございます。今までにやってないことをやろうと思って、冒頭をアコギとボーカルだけにして。歌詞はザ・失恋ソングですね。恋人もそうですけど、大切な人を失ったときの悲しみのパワーって、すごく大きいなと思っていて。私もいろいろな経験をしてきて、そういうときの感情を言葉として残してきたんです。「ずっと変わらない愛を」を作っていたときも、悲しみの感情を爆発させたくて。これまでのことを思い返しながら書きましたね。

まこと:この曲も若田部さんにアレンジに加わっていただいて。ストリングスがすごくいいんですよ。

萌映:そうだね。J-POPの王道というか、思いきり感動できる曲にしてほしいですとお願いして。すごく私の気持ちを汲み取ってくださって、まさに私が欲しかったストリングスを入れていただきました。

まこと:デモを聴いたときから「この曲をレコーディングしたい」とずっと言ってたんですよ。しっかり形にできてよかったです。

けんじろう:コード進行もけっこう変わりました。そのことによって楽曲の雰囲気も大きく変わって。音楽の深いところまで知っている方なので、脳みそをお借りできてよかったです(笑)。

しゅうた:僕もこの曲は本当に大好きで。もともとJ-POPが好きで、しかも悲しい曲が好みなんですよ。

萌映:メンバーに「いい曲」とか「好き」と言われると、シンプルに嬉しいですね。私もメンバーが作る曲が大好きだし、歌うときも曲を作った人がやりたいことを汲み取ろうとしてるので。……ありがとう。

しゅうた:こちらこそ(笑)。

――リリース後は全国ツアー『クレナズム 秋のバリよかワンマンツアー 2023』。ミニアルバムの楽曲が中心になりそうですか?

萌映:そうですね。これまでもそういう流れ(ミニアルバムのリリースからツアーへ)でやってきているので。新しい曲はもちろんですけど、そのときにしか出せないものがあると思うので、しっかり追求しつつセットリストも考えていきたいです。

けんじろう:映画の主題歌、CYNHNへの楽曲提供などでクレナズムを知ってくれて、初めてライブに来てくれる方もいるのかなと思っていて。そういう人たちもしっかり取り込めるようなライブをやりたいです。

まこと:「音源とライブはこんなに違うんだ」というところをしっかり見せたいです。音源は作品としてきちんと作って、ライブはまた違う表現をしたいというか。そこは結成当初から意識していますね。

しゅうた:クレナズムは明るい曲と暗い曲の差が激しいんですよ。楽しさから悲しさまで、どの感情も置いてけぼりにせず、お客さんの気持ちをグチャグチャにさせたいと思ってます。

■リリース情報
5thミニアルバム『Whisper of the heart』
価格1,800円(税込)
配信:https://orcd.co/whisper_of_the_heart

<収録曲>
さよならを言えたかな
夏日狂想
ナツメクル
8月31日
夕凪詠草
ふたりの傷跡
再去見尓
ずっと変わらない愛を

『秋のワンマンツアー クレナズム秋のバリよかワンマンツアー 2023』
10月21日(土)仙台 enn 2nd
10月28日(土)広島SECOUND CRUTCH
10月29日(日)大阪 Live House ANIMA
11月3日(金・祝)高松TOONICE
11月5日(日)福岡BEATSTATION
11月11日(土)名古屋 ell FITS ALL
11月12日(日)渋谷WWWX
11月18日(土)札幌PLANET

開場 16:15/開演 17:00
TICKET スタンディング¥3,500(税込・ドリンク代別・整理番号付)
発売中:https://eplus.jp/culenasm/

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