新生BABYMETALが誕生したエポックメイキングなライブ 映像作品で改めて楽しみたい音楽的進化と大スケールのパフォーマンス

新生BABYMETAL誕生のライブ映像レビュー

 BABYMETALから、“新生BABYMETAL”誕生の瞬間を収めたライブ映像作品(Blu-ray/DVD/LIVE VINYL)『BABYMETAL BEGINS - THE OTHER ONE -』が届けられた。

 収録された公演は、4月1日、2日に行われた神奈川・ぴあアリーナMM公演。BABYMETALのもうひとつの物語、復元計画である「THE OTHER ONE」が完結を迎え、SU-METAL(Vo/Dance)、MOAMETAL(Scream/Dance)、MOMOMETAL(Scream/Dance)の3人体制による新生BABYMETALが誕生したエポックメイキングなライブだ。

 新世界(ニューワールド)“METALVERSE”へと舞台を移し、新章がスタートすることが告げられたこのライブは、彼女たちにとって「全てが終わり、全てが始まる」大きな節目。壮大な物語の終焉と始まり、そして、新たな決意を胸に秘めた3人のパフォーマンスを生々しい臨場感とともに体感できる、まさに必見の映像だ。

 「BLACK NIGHT」(4月1日)は、「THE LEGEND」からスタート。クリスタルの棺の前に登場したメンバーは、シリアスな表情をたたえながら〈光輝く 宇宙を 目指して〉というメッセージを含んだこの曲をパフォーマンス。「THE OTHER ONE」の“O”をかたどった大型セットの全体像はもちろん、指先にまで神経が行き届いた彼女たちの真摯な佇まいや、楽曲の世界観とリンクしたステージングをつぶさに確認できるのも、映像作品ならではの醍醐味だ。

 “ソレソレソレソレ!”の掛け声が響き渡る「メギツネ」からは、現場の雰囲気をダイレクトに体感できる映像へと移行。迫力と気合いに溢れたSU-METAL、笑顔で客席に手を振るMOAMETAL、キツネサインを掲げて踊りまくるオーディエンスの姿が躍動感のあるカメラワークで映し出される。キモになるフレーズに合わせて神バンドのメンバーの手元にフォーカスが当たる編集も絶妙だ。さらに「ギミチョコ!!」ではシンクロ率の高い振付をさまざまな角度から撮影。進化を続けるBABYMETALのステージを全方位から楽しむことができる。

 時空を超えて存在する10のパラレルワールドを楽曲で表現した最新のコンセプトアルバム『THE OTHER ONE』収録曲のパフォーマンスも、この作品の大きな見どころだ。「Mirror Mirror」では“巨大な万華鏡”と称すべき映像がスクリーンに映し出され、現実と幻想を行き来するような楽曲のコンセプトを見事に表現。エレクトロ的な音像を反映した「Time Wave」では幾何学的なムービーとともに時間を超越した世界を体現するなど、斬新な演出も取り入れられた。個人的にもっとも強いインパクトを感じたのは「METALIZM」。トライバルなビートを軸にしたこの曲で彼女たちは、エキゾチックな雰囲気のダンスを披露。力強さと妖艶さを併せ持ったステージは、BABYMETALの新機軸と言っていいだろう。

 ライブ終盤では「DEATH IS THE ONLY WAY TO LIVE」を掲げたムービーが映され、十字架に磔にされたBABYMETALがステージに出現。そのまま深紅のレーザービームに彩られた「BABYMETAL DEATH - Shin ver. -」が放たれ、ジャンプ&シンガロングで会場全体が一体となった「イジメ、ダメ、ゼッタイ」へと突入。その迫力は映像からもダイレクトに伝わってきた。

 終演後、「REINCARNATION - 全てが始まり、全てが終わる -」という文字に続いて映し出されたのは、“METAL RESISTANCE”を掲げた10年の軌跡。これまでのライブシーンを繋ぎながら、「そして、永遠のLEGENDとなったメタルの魂は 次のステージへと導かれ、姿形を変え 新たな命を受けるのだ」「METALVERSEという新たな時代の扉が開き 眩い光と共に我々の前に現れるのだろう」というアナウンスへ。そしてSU-METAL、MOAMETALに続いてMOMOMETALの名前が呼ばれると、観客は腕を上げ、「おおおーー!!」という雄叫びを響かせた。ステージには新たなバトルスーツをまとった3人の姿が。それはまさに新生BABYMETAL誕生の瞬間だった。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる