Smash Into Pieces、13年ぶり来日ステージで作り上げた刺激的な空間 LiLiCoも駆けつけた日本初単独公演

スウェーデン出身のロックバンド Smash Into Piecesの来日公演が7月9日、東京・duo MUSIC EXCHANGEにて開催された。
ヨーロッパ最大級の音楽コンテスト『Eurovision Song Contest』のスウェーデン国内予選で三度の決勝進出を果たすなど、本国を含む欧州で絶大な人気を誇るSmash Into Piecesだが、来日公演は2013年以来13年ぶりのこと。かつ、日本での単独公演は今回が初めてであると同時に、クリス・アダム(Vo)、ベンジャミン(Gt)、ペル(Gt)、APOC(Dr)という現編成では初めての日本公演とあって、会場には彼らの再来日を長く待ち望んでいたファンが大勢駆けつけた。


定刻を過ぎた頃、会場が暗転すると同時にSFチックなSEと幻想的な照明演出が独特の空気を作り上げる。続いて、ステージには覆面姿で異様な雰囲気を漂わせるAPOCがひとり登場。カラフルな光を放つマスクや衣装、指から放たれるレーザーなどの演出とともに、物語性を感じさせるナレーションでオーディエンスを煽る。そして、ほかのメンバーが姿を現すとフロアの熱気も急上昇し、ライブは「Man or Machine」にて勢いよくスタート。APOCが繰り出すタイトなビート、ベンジャミン&ペルが時に豪快に、時に繊細に奏でるギター、そしてパワフルさとスウィートさを兼ね備えたクリス・アダムのボーカルが重なり、Smash Into Piecesならではのヘヴィかつキャッチーなサウンドが会場を包み込んでいく。




クリス・アダムの「トーキョー、ジャンプの時間だ!」を合図に「Venom」へ突入すると、グルーヴィーなサウンドに乗せて伸びやかな歌声を響かせていく。今回は小規模会場での公演ということもあってか、海外公演で見られるような映像演出こそなかったが、曲中に緑の照明にあわせてAPOCのマスクが緑に光る演出もあり、視覚面でも十分に楽しませてくれる。そして、「We are Smash Into Pieces from Sweden. How do you feel tonight, Tokyo!」の挨拶に続いて代表曲のひとつ「Six Feet Under」が始まると、オーディエンスの盛大なシンガロングも加わり、フロアの盛り上がりは早くも最高潮に到達。いかにこの公演が待ち望まれていたかが、この1曲から十分に感じ取ることができた。

以降も、バンドは緩急に富んだ楽曲を連発。時に地を這うような重々しいバンドアンサンブルで、時にクリス・アダムの甘くハスキーな歌声を全面に打ち出したメロディアスさで、観る者を魅了し続ける。また、曲間にはAPOCによるナレーションがたびたび挿入され、ライブ1本を通してのストーリー性を感じさせる演出も用意。本来ならここで映像演出が加わることで、彼らがライブを通して伝えたいことがよりダイレクトに理解できたのかもしれないが、今回のようなシンプルなステージ構成でも彼らの楽曲の魅力やメンバー各々の表現力や技量の高さは十分に伝わったはずだ。




「Trigger」の冒頭では、クリス・アダムが「13年ぶりに戻ってこられて嬉しい。日本で初めてのワンマンライブだよ。カンパイ!」と喜びをダイレクトに表現する一幕も。その後、APOCのトライバルなドラムソロをフィーチャーした「Devil In My Head」を経て、「今日は特別な一夜だ」の一言とともに始まった「First Time (feat. LiLiCo)」では、スペシャルゲストとしてLiLiCoがステージに登場。日本版シングル『First Time (Japan Edition)』同様、クリス・アダムが日本語詞で歌い始めると会場がひとつになってシンガロングが湧き起こる。また、一方のLiLiCoもステージ映えする佇まいでパワフルな歌声を会場中に響かせ、Smash Into Piecesの熱演に対して見事に華を添えてみせた。


「First Time (feat. LiLiCo)」を披露し終えたあとは、LiLiCoが通訳を買って出てクリス・アダムとベンジャミンに公開インタビューを敢行。「日本に来てから、どんなごはんを食べましたか?」や「曲作りはどうしているんですか?」などオーディエンスからの質問に対し、2人は丁寧な回答で観客を笑顔にさせる。そんな中、「なぜ再来日にこんなにも時間がかかったんですか?」という質問にはクリス・アダムが「なぜ13年も来られなかったのか驚きだが、今回はLiLiCoが再来日への扉を開いてくれたんだよ」と答え、フロアが大いに湧く一幕もあった。


ファンとのコミュニケーションタイムを終えると、バンドは「Boomerang」にてライブを再開。観客は大きなリズムに合わせて、高く掲げた腕を左右に振って一体感生み出す。デジタルビートをフィーチャーした「Hurricane」、冒頭でベンジャミン&ペルが手数の多いギターソロを披露する「Flow」と、曲を重ねるごとに会場の熱量は徐々に高まっていき、クラブミュージックテイストのラウドナンバー「Like This」ではクリス・アダム、ベンジャミン、ペルのアクションに合わせて観客がジャンプをするなど、クライマックスに相応しい盛り上がりでライブ本編はフィナーレを迎えた。
「Big Bang」から始まったアンコールでは、華やかなシンセサウンドに乗せてクリス・アダムが歌い出すと、パワフルなビートと地鳴りのような轟音サウンドが相まって刺激的な空間を作り上げる。そして、クラップでさらなる一体感を生み出す「Hollow」を通じて、バンドと日本のオーディエンスの心はひとつであることを見事に証明してみせ、13年ぶりの再来日公演は大成功のうちに幕を下ろした。


「絶対に忘れないよ!」と喜びの言葉を何度も口にしたSmash Into Piecesの面々は、終演後も名残惜しそうに客席のファンとコミュニケーションを図り続ける。今回の再来日公演で彼らが得た手応えは、今後の活動における大きな糧となるのではないだろうか。と同時に、次はさらに大きなステージで彼らのライブを目撃できるのではないか……この日の圧巻のパフォーマンスを目にした者なら、誰もが思ったはずだ。
■セットリスト
01. Man or Machine
02. Venom
03. Six Feet Under
04. Glow In The Dark
05. All Eyes On You
06. Arcadia
07. Let Me Be Your Superhero
08. Heroes Are Calling
09. Trigger
10. Devil In My Head
11. First Time (feat. LiLiCo)
12. Boomerang
13. Hurricane
14. Flow
15. Like This
EN1. Big Bang
EN2. Hollow
■関連リンク
Website:https://www.smashintopieces.com/
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