『ブギウギ』には草彅剛ら出演 『カムカムエヴリバディ』『エール』……音楽扱う朝ドラで印象残したアーティストたち

『ブギウギ』ら音楽扱う朝ドラ

 10月2日から放送が始まるNHK連続テレビ小説『ブギウギ』。主演の趣里はじめ水上恒司や蒼井優ら名だたる俳優たちの出演でも話題の本作は、昭和歌謡を代表する歌手・笠置シヅ子をモデルとした、音楽をテーマとした作品であることが明らかとなっている。

 笠置シヅ子といえば「ブギの女王」として戦後の日本歌謡シーンを席巻した歌手だ。躍動感のあるダンス、身体を揺らしたくなるリズムは当時の邦楽シーンには存在せず、彼女の存在は今なお日本の音楽シーンに強い影響を与えると共に、代表曲である「東京ブギウギ」や「買物ブギー」といった楽曲は今なおたくさんのミュージシャンに歌い継がれている。

 そんな『ブギウギ』には作曲家の羽鳥善一役として草彅剛が出演する。草彅と言えば新しい地図としての楽曲リリース、ギターの弾き語りイベントを開催するなどミュージシャンとしても活動している。彼が『ブギウギ』で演じる羽鳥という人物は、笠置の「東京ブギウギ」などを手掛けた服部良一をモデルとしたキャラクターだ。草彅のミュージシャンとしての経験は、きっと本作の演技にもプラスになるだろう。

 『ブギウギ』同様に音楽がテーマとなった朝ドラと言えば、直近では2021年から2022年にかけて放送された『カムカムエヴリバディ』が想起される。3代にわたる3人の主人公を軸に、大正から令和の4つの時代を描く同作では、ジャズのスタンダードナンバー「On the Sunny Side of the Street(明るい表通りで)」が世代の異なる3人の主人公を繋ぐ役割を果たした。ラジオ英語講座、そして音楽がストーリーの核を担った『カムカムエヴリバディ』にもミュージシャンでありながら俳優としても高い評価を得ている世良公則が出演している。世良はジャズを愛する喫茶店のマスターである柳沢定一を好演。作中では世良が上述した「On the Sunny Side of the Street」を歌唱するシーンもあり、作品で重要な役割を果たした。

 2020年3月より放送された『エール』も音楽がテーマとなった朝ドラだ。『エール』は、つい先日セ・リーグ優勝でも大きな話題を呼んだ阪神タイガースの球団歌「阪神タイガースの歌(通称:六甲おろし)」の作曲を手掛けたことでも有名な古関裕而、そしてその妻である金子をモデルとした作品。福島市、そして愛知県豊橋市を舞台とし、実際に同地で行われたロケも大きな話題を呼んだ。『エール』においてはミュージカル俳優である山崎育三郎の演技が印象深い。山崎が演じたのは主人公・裕一(窪田正孝)の幼馴染である佐藤久志。歌手を志し、“ハンサム”という言葉が似合う佐藤というキャラクターはまさにハマリ役であった。実際に歌唱するシーンも多く、『「エール」コンサート』というコンサート形式で幕を下ろした本作の最後の最後に至るまで、山崎はその存在感を遺憾なく発揮していた。

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