Snow ManのCDはなぜ売れるのか 9thシングル『Dangerholic』でも新記録、手に入れたくなる仕掛けとこだわり

 Snow ManがCDセールスでまたも新たな記録を樹立した。9thシングル『Dangerholic』が、初週86.9万枚を売り上げ、9月12日発表の最新「オリコン週間シングルランキング」で初登場1位を獲得。グループの同ランキング1位は、2ndシングル『KISSIN' MY LIPS/Stories』(2020/10/19付)から8作連続・通算8作目となり、「シングル初週売上80万枚超え作品数」は3作連続・通算6作、男性アーティスト史上初となる通算6作目の初週売上80万枚超えを達成した。「連続初週売上50万枚超え作品数」についても8作連続で、男性アーティスト史上初だという(※1)。

 リリースの度にグループの影響力を数字という結果でも示してきたSnow Man。しかしその結果は単なるグループの人気だけではなく、CDを手に取る人たちに向けて丁寧に作られた作品としての完成度の積み重ねでもある。どんなに自身が応援するグループであっても、楽曲やミュージックビデオのクオリティが更新され続けなければ応援の熱を維持することは難しい。それに加え、いまやリリースよりも前にSNSやYouTubeなどで楽曲にまつわる様々なコンテンツを楽しめる時代。それだけで満足してしまう人も少なくないなか、Snow Manのシングル曲はCDの3形態すべてで一つの作品として完成するように設計されているため、パッケージを購入したいと思わせる流れを作ることに成功している。

 今作については、“CDで作品が完成する”という意味合いがより強く反映されていた。まず一つ目はパッケージ。プロモーション期間の『Dangerholic』のビジュアルイメージで印象的だったのはアーティスト写真にも用いられているメンバーカラーのテープが張り巡らされたものだったが、実際の作品として強く印象づけられたのは、初回盤Aのジャケットの背景に見えていた色とりどりの「花」のモチーフだった。

 初回盤A・Bともに付属しているスリーブケースには様々な花が印刷されており、ジャケット写真と重なることで新鮮なビジュアルを楽しむことができる(※2)。会員向けの会報によると、花については「危険な香りがする人たち」というイメージを表現すべくメンバーが話し合って決めたものだという。それぞれが1種類ずつ選んでおり、深澤辰哉はジニア、阿部亮平はひまわり、ラウールは青のバラ、向井康二は白い芍薬、宮舘涼太は赤のバラ、佐久間大介はダリア、岩本照はカンパニュラ、渡辺翔太はトルコキキョウ、目黒蓮はガーベラをチョイス。もともと好きな花があったメンバーもいれば、衣装とのバランス、花言葉、スタッフと相談して……など、それぞれが思いを込めて選んだ花たちが作品を彩っている。配置も含め細部にまでこだわり抜かれたクリエイティブと知るとさらに愛着が湧いてくる。

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