香取慎吾、“渦中”を支えた上野樹里の存在 ふたりの対話で振り返る7年前と『家族ノカタチ』、そして今後の化学反応への期待

 「今振り返って、ここの時期ってハンパじゃないから、さすがの“慎吾ちゃん”もね、ちょっとぐったりはしてたと思うんだよね。だから、上野樹里じゃなければ乗り越えられなかったと思う。もう本当にありがとうございます、だよね」と続けると、上野は「えー! いやいやいやいや、なんにもできてないよー!」と喜びが滲む声で謙遜。その姿に「このテンションですよ」「このテンションが毎朝あるわけよ、やっぱり! 思い出してきたね」と香取も笑顔になるのだった。

 すると、上野から「その時に“またドラマにこうやって出て共演できるようになるまで、あとどれくらいかかるかなみたいな〜”みたいなこと言ってたから、待ってるんですけど、ずっと」「共演、いつできるんですか?」とドキドキな発言が飛び出す。どうやら3次会まで盛り上がったというドラマの打ち上げで、香取がそう本音をこぼしたというのだ。

 「言ってたんですよ、打ち上げのカラオケの時に!」「またこうやってテレビに出て共演できるのはいつかなって思って、待ってるんですけどね」と無邪気に続ける上野に、香取も「そりゃもちろん、ぜひ機会があったら嬉しい」と快諾するのだった。ドラマ『家族ノカタチ』では、“結婚できない男”と“結婚しない女”を演じていたふたりだが、今ならどんな物語がしっくりくるだろうか。この7年で磨かれた、それぞれの表現力がぶつかり合う様子が早く観たい。

 また、上野は「私もいつか歌を歌えるようになったら、一緒に歌いたい」と、音楽面でのコラボも熱望。「“歌えるようになったら”ってどういうこと?」と香取が尋ねると、まだ数回ほどだが声が枯れない歌い方を習得すべくボイストレーニングをしているのだそう。

 だが、上野には別の悩みがあるという。エネルギーを自家発電して取り組む映像作品の現場に比べて、観客からのエネルギーが寄せてくる舞台やステージは「ヒートアップしちゃいそう」「だからね、ちょっとどうしたらいいんだろうって思って……教えてほしいですね」というのだ。

 香取は、その話をゆっくり聞きながら「ああ、それのね、気持ちいいところがあるんだよ」「オーバーヒートしちゃいそうなんだけど、それをお客さんが吸ってくれて、また違うパワーに変えてくれて……みたいな。その空間のね、みんなの気持ちいいところがあるんだよね」と答える。

 そして観客の目を意識するあまり、どうしたらいいかわからなくなるという上野に「あくまでも主役ですから。何百、何千の目が観てる主役だっていうのは忘れないほうがいいですよね。いろんな人が観てるから、その人たちに動かされてそうじゃん。そうじゃないよね。この人を観たくて来てるし、だから自分がその空間を支配していいよね」「気持ちいいところが来るんですよ」と諭した。

 

 「できるかな?」と不安げに問う上野に、香取は「できますよ!」と太鼓判を押す。兄妹、あるいは師弟にも見えるふたりの関係性。シンプルに共演する姿を観たいのはもちろん、そんなふたりと観客とのエネルギーの掛け合いも体感してみたいものだ。まさに時は満ちたというタイミング、ぜひとも香取慎吾×上野樹里の化学反応を新たな作品で見届けたい。

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