EGOIST、活動終了に寄せて バーチャルアーティストシーンに与えた影響と足跡を辿る

 supercellのryoがプロデュースを手がける音楽ユニット・EGOISTがワンマンライブ『EGOIST LIVE 2023 Fleeting Ruby “The Crescendo”0923 OSAKA』『EGOIST LIVE 2023 Resonant Indigo “Echoes of Everlasting”1009 YOKOHAMA』をもって活動終了することが、8月26日に発表された(※1)。2011年に放送されたアニメ『ギルティクラウン』(フジテレビ系)でのデビューからおよそ10年、そのニュースは多くのファンを驚かせた。EGOISTがこれまで音楽シーンで成し遂げてきた功績は数知れず、アニメソングはもちろん、日増しに勢力図を拡大しているバーチャルアーティストシーンにも大きく影響しているだろう。今回は、そんなEGOISTが今日の音楽シーンに残したものを、その足跡と共に辿る。

『ギルティクラウン』を飛び出したリアルでの活躍

 EGOISTは、先述のアニメ『ギルティクラウン』に登場する架空のアーティストとして姿を現した。ボーカルを務めるchelly(ソロ名義:reche)は、応募者2000名を超えるボーカリストオーディションでryo(supercell)によって選出された逸材だ。

 同作で主題歌・劇中歌を担当し、それ限りの活動かと思われたが、アニメ終了後も作品の世界を飛び出しリアルで活動を継続した。その後はアルバム『GREATEST HITS 2011-2017 ”ALTER EGO”』などのリリースや『PSYCHO-PASS サイコパス』(フジテレビ系)シリーズをはじめとした数多くのTVアニメ主題歌を担当。中でも「名前のない怪物」は、週間オリコンチャート最高6位を記録したヒット曲であり、chellyもインタビューで自身の転機となった曲として挙げている(※2)。

EGOIST『名前のない怪物』Music Video(テレビアニメ「PSYCHO-PASS」前期エンディングテーマ)

 このようにEGOISTは作品の世界を飛び出したアーティストのはしりとして、音楽シーンにおいて存在感と新たな可能性を提示した。

 最近では、はまじあき原作の作品『ぼっち・ざ・ろっく!』に登場するバンド・結束バンドが、書き下ろし楽曲を含むアルバムの発売にZepp Haneda (TOKYO)でのライブイベント、音楽フェス『マイナビ 閃光ライオット2023 produced by SCHOOL OF LOCK!』のオープニングアクトを務めるなど、作品の枠を超えた活動を見せている。

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